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ニュース裏表 峯村健司 11月は米大統領選など外交日程めじろ押し…〝国民の負託〟得られなかった石破首相、一体どの国の首相が真剣に話をするのか

zakzak by夕刊フジ 2024年11月2日 10時0分

衆院選の投開票があった10月27日夜、ニッポン放送の選挙特番「飯田浩司の OK!Cozy up! 総選挙開票スペシャル」にコメンテーターとして出演した。

筆者の事前取材で、自民、公明与党が過半数割れする大波乱を予測していた。放送はユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=nvuax7jQzQY&t=15799s)でのライブも合わせて、開票前から6時間にわたる長丁場だったが、途中トイレどころか息をつく間もないほど、緊迫した放送となった。

各党幹部らのインタビューのトップバッターは、開票直後に当確が出た自民党の小林鷹之元経済安保相だった。9月の総裁選で善戦したこともあり、選挙中、全国53選挙区で応援演説をしてきた。その声色には当選の喜びは一切なく、悲痛さすら感じた。

「自民党に対する強い逆風が、終盤戦で突風となって仲間の議員たちに襲い掛かった。党幹部には責任を感じてほしい」

小林氏が「突風」と表現したのは、自民党本部が公示後、「非公認」候補が代表を務める政党支部に活動費2000万円を支給していたことを報じた共産党機関紙「しんぶん赤旗」のスクープのことだ。投開票の4日前の報道とあって、自民党への支持は大きく下がった。

続いて、インタビューに応じた小泉進次郎選対委員長に、この支給を知っていたかどうか尋ねた。

「選対委員長として決裁にかかわっておらず知らなかった。党のガバナンスを改善しなければならないところがあると思う」

小泉氏は与党過半数割れを念頭に「虚心坦懐(たんかい)」を繰り返し、問題点を率直に認めていたのが印象的だった。翌28日、党が惨敗した責任を取って、選対委員長を辞任した。

開票が始まって3時間のところで、石破茂首相(自民党総裁)のインタビューが入った。この段階で、石破首相が「勝敗ライン」に明言していた「自公過半数」を割り込むことが濃厚になっており、進退について尋ねた。

石破首相は「開票が終わる前に言うことは不見識だ」と繰り返すだけで、残念ながら中身のある答えは一切なかった。

「居直り」は国益の損失

案の定、石破首相は翌日の記者会見で、「厳しい安全保障環境や経済環境にあって国政は一時たりとも停滞が許されない」と辞任を否定した。

今月5日には米大統領選が投開票され、新たな大統領との関係づくりは急務といえる。中旬にはAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会談や、G20(20カ国・地域)首脳会談など外交日程がめじろ押しだ。

「選挙の顔」を期待して総裁に選ばれた石破首相が、来年7月の参院選以降も政権運営する可能性はこれでなくなった。そもそも、一体どの国の首脳が、「国民の負託」を得られなかった日本のトップと真剣に話をしようと思うだろうか。

石破首相が「居座る」ことは日本の国益を大きく害することになり、一日も早い退陣を強く求める。そして、国難に対処できるように一刻も早く本格政権が立ち上がることを切望する。 (キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)

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