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鉄ドル・伊藤桃 “ぐう渋”居酒屋の旅 世代を超えて愛され続ける〝昭和〟の名店 料理は一品550円均一、ウオッカのメニューがあるのがおしゃれ 新宿駅「ぼるが」

zakzak by夕刊フジ 2024年7月26日 15時30分

「いや、本当にオヤジが言っていた通りのお店だったよ」と満足した笑顔でお会計をするお客さんを横目に見つつ、お酒をちびりといただきました。ジリリとなるピンクの電話、揺れる淡いランタンの光に、カウンターの中でたおやかにほほ笑むマダム。ここには〝昭和〟がありました。

今回は東京・新宿西口の「ぼるが」さん。戦後間もない1949年、現在の思い出横丁の一角にお店を構え、その後58年に現在地に移転しました。創業した高橋茂さんは俳人。ここは日本が変わりゆく中、夜な夜な文化人が集うお店だったそう。少しほの暗い、山小屋風のシックな内装も常連客だった建築家のデザインです。それだけの歴史があるので、冒頭のような会話が生まれるのでしょう。

こう書くと敷居が高いように感じられますが、お料理は一品550円均一と明朗会計。看板メニューのもつ焼きは、盛り合わせ5本でこのお値段と非常にリーズナブルです。店頭の焼き場で焼き上げたもつは香ばしく、お酒が進むこと間違いなし。お酒も一通りありますが、店名の由来がロシアの大河からか、ウオッカなんてメニューがあるのがおしゃれです。定番メニューのほかにホワイトボードに書かれた本日の一品もあり、アテも充実。聞くと、ホールで働いていた方も元常連さんだそう。時が流れ、世代が変わっても愛され続ける名店で、しっぽり飲んだ夜でした。 =木曜日掲載

「ぼるが」は東京都新宿区西新宿1の4の18(03・3342・4996)。

■伊藤桃(いとう・もも) 鉄道アイドル、タレント。3月11日生まれ、青森県出身。青山学院大学文学部卒業。JR全線完乗した乗り鉄。渋い居酒屋めぐりも趣味。FM狛江「伊藤桃の小田急全駅ものがたり」(毎月第3、5日曜)に出演。ヴィレッジヴァンガードサイトでコラム連載中。著書に「小田急全駅ものがたり」「桃のふわり鉄道旅」。頑張る居酒屋をインスタグラム(https://www.instagram.com/itomomo_izakaya/)でも応援中だ。

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