ドナルド・トランプ次期米大統領の20日の就任式に、岩屋毅外相が出席する方向で調整に入った。米側から招待を受けたという。石破茂首相とトランプ氏の対面会談がいまだに実現しないなか、訪米して地ならしをしたい考えとみられる。石破政権には「親中」傾向が指摘されており、日米関係の行方が注目されている。また、自民党の片山さつき参院議員も就任式に出席するという。
政府関係者によると、岩屋氏は、トランプ次期政権の国務長官候補に指名されたマルコ・ルビオ上院議員が米上院での承認を得られれば、訪米時に会談を模索する方向だ。
岩屋氏は昨年12月に訪中した際、中国軍による日本の排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイル撃ち込みなど、一連の「対日暴挙」に具体的進展がないなか、「中国人向けの査証(ビザ)発給要件の緩和」を表明した。自民党の森山裕幹事長と公明党の西田実仁幹事長も13~15日の日程で訪中する。
日本にとって米国は唯一の同盟国である。石破政権の「親中」傾向が指摘されるなか、「対中強硬派」として知られるルビオ氏と岩屋氏の会談は注目されそうだ。
一方、片山氏は、前駐日大使のウィリアム・ハガティ上院議員と親交があり、昨年末に打診を受けたという。片山氏は10日、「各国がトランプ次期政権との新たなパイプづくりに苦心している。日本政府や自民党など、あらゆる関係先と協力し、わが国と米国の友好関係がより深まるよう、積極的な働きかけに努めたい」などと記者団に語った。