Infoseek 楽天

エンタなう 日常の恐怖描く〝Kホラー〟でチェ・ジウが新境地 3回断られながらキャスティング実現 映画「ニューノーマル」

zakzak by夕刊フジ 2024年8月19日 6時30分

怪談の季節だが、近ごろは幽霊より人間の方が怖い。そんな人怖(ヒトコワ)系ホラーの映画「ニューノーマル」(公開中)は、現代のソウルを舞台に6人の男女が絡み合う日常の〝世にも奇妙な物語〟が絶望的な一本の糸で紡がれていく。

「冬ソナ」から20年、7年ぶりのスクリーン復帰となるチェ・ジウが扮するヒョンジョンは、マンションに一人暮らし。ある日、火災報知機の点検に来たという中年の男性が、図々しく家の中に入ってくる。怪しげな男性に不安を覚えるヒョンジョン。ソウルでは、女性ばかりを狙う連続殺人事件が多発し、世間を賑わせていた…。一方、デートアプリでマッチングした相手と待ち合わせをしているヒョンス(イ・ユミ「イカゲーム」)。そこに現れたのは思いも寄らない人物だった。

コンビニでカスハラ客から執拗ないやがらせを受ける店員など、日常の隣にある「いやな話」が時間と場所を変えて、あちこちで勃発している。それらのはけ口となるソーシャルメディアに切り取られた現代社会こそがホラーそのものだ。

ヒッチコック風、メロドラマ、サスペンス…さまざまな場面を重厚なクラシックやKPOPの名曲などの音楽が絶妙に盛り上げ、各国の映画祭で話題を呼んだ作品。〝Kホラーの巨匠〟と呼ばれるチョン・ボムシク監督は、チェ・ジウの出演を熱望し、「経験のない役柄で迷惑をかけては」と3回断られながらキャスティングを実現。彼女の新境地といえる怪演だ。 (中本裕己)

この記事の関連ニュース