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舟木一夫 出会いと別れの80年 松原智恵子、呼び寄せ合う〝名古屋・同郷〟の2人 舟木一夫との接近をやっかむファンもいたが…ジャーナリストの黒木純一郎と結婚

zakzak by夕刊フジ 2024年8月28日 11時0分

舟木一夫は1944年12月12日、愛知県一宮市生まれ。松原智恵子は45年1月6日、岐阜県池田町の生まれだが、戦後に実家のある名古屋市に戻り、そこで育った。2人とも高校時代の活動拠点は名古屋市内。つまり、まったく同世代で、同じ名古屋の空気を吸っていた〝同郷〟といえる。

もっとも舟木は〝9人の母親〟がいたことでも知られ、父親が経営する劇場が破綻すると小学校も転々とした。一方の松原の父親は名古屋市内で旅館や銭湯を経営し、松原が日活入りすると、調布市内に2階建ての家を建て、お手伝いさんと一緒に住まわせている。雲泥の差だ。

そんな2人が初めて会ったのは、63年12月に公開された日活映画「学園広場」(山崎徳次郎監督)の撮影現場だった。舟木の2作目は「高校三年生」をヒットさせた大映で撮る予定だったが、外遊中の永田雅一社長の決裁が下りず、日活に移った経緯がある。

18歳の2人の出会いは〝巡り合わせ〟というほかない。舟木に対する松原の第一印象は「丁寧で礼儀正しい方。撮影時間に遅れたことがないし、せりふもしっかりしていらした」。一方の舟木の第一印象は「ただただきれいな人」だった。

2人はこの映画をきっかけに「仲間たち」「夕笛」「残雪」「青春の鐘」の計5本の日活映画で共演している。中でも67年9月に公開された「夕笛」(西河克己監督)は秀逸で、同年に公開された日活映画の配収1位に輝いた。

「夕笛」について、舟木は「松原智恵子の美しさが際立っていた映画」と振り返る。当初は東映で撮影する予定だったが、配役のスケジュールの都合がつかず、日活に回った。これも呼び寄せ合う舟木と松原の運と言えるかもしれない。

2人の接近をやっかむファンもいたが、「夕笛」が公開されて3カ月後、松原は「週刊現代」誌上でジャーナリストの黒木純一郎の取材を受けて交際に発展し、5年後の72年9月に結婚。その夫は2年前に80歳で亡くなっている。 =敬称略

(大倉明)

■舟木一夫(ふなき・かずお)歌手。1944年12月12日生まれ、79歳。愛知県出身。63年6月、「高校三年生」でデビュー。橋幸夫、西郷輝彦とともに〝御三家〟と呼ばれ、人気を集めた。歌手だけでなく、ドラマや映画などで活躍してきた。ツアー「コンサート2024」を開催中で、10月22日に大阪・フェスティバルホール、同月23日に神戸国際会館・こくさいホール、11月6日に東京・渋谷の「LINE CUBE SHIBUYA」(渋谷公会堂)を予定している。

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