中東情勢の緊張が続いている。パレスチナ自治区ガザをめぐるイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦協議の再開が15日に予定されているのだ。交渉を仲介する米国などは再開をイスラエルとハマスに要請し、イスラエルは代表団を送ると表明したが、ハマスは消極的な姿勢を示す。ガザ地区では14日もイスラエルの攻撃が続くなか、停戦交渉の再開実現が焦点となっている。
ジョー・バイデン米大統領は13日、停戦合意が成立すれば、イランがイスラエルへの報復攻撃を思いとどまる可能性が高いとの見方を示した。
イランは7月末に国内で起きたハマス最高指導者のハニヤ氏暗殺事件を受け、イスラエルを報復攻撃すると表明している。米国やイスラエルの情報機関は週内にも、イランやその支援を受ける武装勢力が実行する可能性があると分析している。
イラン政府高官の一人は、交渉が失敗したり引き延ばされたりすれば、レバノンの民兵組織ヒズボラなど親イラン勢力とともに、イスラエルを直接攻撃すると警告した。紛争拡大を懸念する米国やアラブ諸国に圧力をかけ、イスラエルに停戦案を受け入れさせる狙いがあるとみられる。ただ、イランがどのような交渉状況を「失敗」と判断するかは不明だ。
米国務省は13日、イスラエルにF15戦闘機50機や空対空ミサイル30発、戦車用砲弾3万発超など計200億ドル(約2兆9000億円)以上の兵器を売却することを承認したと議会に通告した。イスラエル支援の強化で、イランを抑止する姿勢も示した。