石丸伸二前広島県安芸高田市長(42)は15日、地域政党「再生の道」を設立したことを明らかにした。7月の東京都議選では全42選挙区で候補者擁立を目指す。昨年7月の都知事選で次点となった「石丸現象」は、都議選でも続くのか。
「日本を蘇らせる意味を込めて『再生』と付けた」
石丸氏は党名に込めた思いをこう語った。
候補者は公募し、「2期8年」を上限とする。党の政策については「ここでは出さない。実務能力があるかどうかだ」と語った。自身は都議選には出馬しないとした。
石丸氏は記者会見の情報がネットに流出したとして会場を変更した。会見場の外では、入場できなかったメディアなどから「差別的対応だ」と怒号が飛ぶ一幕もあった。
2016年の都知事選では小池百合子氏が約291万票を獲得。翌年の都議選で小池氏の地域政党「都民ファーストの会」が55議席を得た。
一方、石丸氏は昨年7月の都知事選で、165万8363票を獲得した。
立憲民主党幹部は「都知事選時の勢いが続いていれば『石丸新党』の看板だけで候補者が当選することもあり得る」と警戒する。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「既存政党の脅威にはなると思うが、著名な候補を擁立するのか、政策発表などでネットを沸かせる戦術をとれるかが注目だ」と語る。
日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は「再生の道」との連携に前向きな意向を明らかにした。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は「全体像が分からない。もう少し見定めたい」と述べるにとどめた。
ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「無党派層に響くかどうかにかかっている。このところの都議選の投票率(40~50%程度)を大きく上回れば、10議席をうかがう可能性もゼロではない。SNS選挙の功罪も見えてきたなかで、いわゆる『オールドメディア』がどう報じるかにも左右されるのではないか」と分析した。