2015年5月14日、日本と同じ味で進出した、定食で知られるレストラン『大戸屋』がタイで人気なのでレポートする。
日本では昭和33年に池袋で誕生した安価な定食食堂が、2005年3月に初めて海外進出した先がバンコクだった。
和食ブームのタイでは昨今、日本の有名チェーン店が続々と進出してきているが、ほとんどが日本の味そのままが売りになっている。
それまでのタイの和食といえば、日本人だけを顧客ターゲットにして日本人向けの味つけで開いている店か、タイ人の味覚に完全に合わせてタイ人向けに展開するかに分かれていたと思う。そんな中、タイ人もターゲットにしながら日本の味つけそのままで進出してきた先駆けとなったのが、この『大戸屋』だったのではなかろうか。
今年、初進出から10年を迎え、現在はタイ全土に46店舗もの店を構えるに至っている(大戸屋ホームページでカウント)。『大戸屋』はほかにはシンガポール、インドネシア、台湾、香港、上海、アメリカに進出しているが、数店舗ずつで、中でも多い台湾はそれでも22店舗だ。海外支店の大半がタイにあるということになる。
『大戸屋』は日本では元々「50円食堂」として知られていたほど安かったが、タイは日本と同じ味にしているからか、日本よりやや高い。例えば、「ロースとんかつ定食」が269バーツ(約982円)だが、日本の「四元豚のロースかつ定食」は829円だ。269バーツは物価感覚からいえばタイでは2500円相当であるので、かなり割高になる。
それでもタイ人客はどの店舗でもかなり入っている。タイ東北地方で、隣国ラオスに近いウドンタニー県にある『大戸屋』の店もまた昼食や夕食時はほとんど満席に近い状態になる。地方でさえこのレベルなので、バンコクでは人気店といっても過言ではないレベルだ。
タイに進出する和食店は多いが、その裏では失敗している例も少なくない。『大戸屋』は間違いなく成功した例になる。
【執筆 : 高田胤臣】
日本では昭和33年に池袋で誕生した安価な定食食堂が、2005年3月に初めて海外進出した先がバンコクだった。
和食ブームのタイでは昨今、日本の有名チェーン店が続々と進出してきているが、ほとんどが日本の味そのままが売りになっている。
それまでのタイの和食といえば、日本人だけを顧客ターゲットにして日本人向けの味つけで開いている店か、タイ人の味覚に完全に合わせてタイ人向けに展開するかに分かれていたと思う。そんな中、タイ人もターゲットにしながら日本の味つけそのままで進出してきた先駆けとなったのが、この『大戸屋』だったのではなかろうか。
今年、初進出から10年を迎え、現在はタイ全土に46店舗もの店を構えるに至っている(大戸屋ホームページでカウント)。『大戸屋』はほかにはシンガポール、インドネシア、台湾、香港、上海、アメリカに進出しているが、数店舗ずつで、中でも多い台湾はそれでも22店舗だ。海外支店の大半がタイにあるということになる。
『大戸屋』は日本では元々「50円食堂」として知られていたほど安かったが、タイは日本と同じ味にしているからか、日本よりやや高い。例えば、「ロースとんかつ定食」が269バーツ(約982円)だが、日本の「四元豚のロースかつ定食」は829円だ。269バーツは物価感覚からいえばタイでは2500円相当であるので、かなり割高になる。
それでもタイ人客はどの店舗でもかなり入っている。タイ東北地方で、隣国ラオスに近いウドンタニー県にある『大戸屋』の店もまた昼食や夕食時はほとんど満席に近い状態になる。地方でさえこのレベルなので、バンコクでは人気店といっても過言ではないレベルだ。
タイに進出する和食店は多いが、その裏では失敗している例も少なくない。『大戸屋』は間違いなく成功した例になる。
【執筆 : 高田胤臣】