致死率の高い「MERS」を警戒ー空港での水際対策を強化

　2015年6月2日、中東呼吸器症候群(MERS)感染の患者が韓国で2人死亡したことで、タイを始め周辺各国では、空港での水際対策により力を入れている。

　中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症で、原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれている。
　
　2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS・サーズ)の原因となった病原体も、コロナウイルスの系統だが、SARSとMERSは異なる病気だ。WHO(世界保健機関)によると、昨日までに20カ国以上から、635の症例が報告されており、致死率の高い感染症として恐れられている。

　感染した場合の主な症状は、発熱、せき、息切れ、下痢など。
　
　高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの持病がある場合、重症化する傾向が高い。MERSの抗ウィルス薬は開発されていないため、根本的な治療方法はなく、症状に合わせた対処療法になる。

　潜伏期間は2～14日で、感染しても、症状が出ないケースもある。ワクチンも無く流行が懸念されている。
【編集 : TY】