今でもタイ国民に愛され続けている伝説の歌姫プムプアン・ドゥアンチャンの一人息子と元夫が、2015年6月13日に出生地であるスパンブリー県で行われた23周忌イベントで、詰め掛けた満場のファンの前で詫び、数年来に渡った確執に終止符を打った。
1992年6月13日に32才という若さでこの世を去ったプムプアン・ドゥアンチャン。彼女には、夫グライソン氏との間に一人息子がいる。ペットことパカワット・リーラマキンさんは、昨年トップライン社と契約。母と同じ歌手の道を歩み始めた。これまでもラジオのDJやタレントとして活動もしていた。
プムプアンの生まれ故郷スパンブリーで、毎年行われる追悼コンサートに何年も顔を見せていなかった一人息子のペット氏。それは、数年前に父グライソン氏との間に起きた確執が原因だった。
しかし今年、そんなペット氏が父親グライソン氏に紹介される形で、母の眠る寺でのステージに登場した。
実はこの親子については、2009年に仲違いをして以来、業界内でも本人たちの前では、アンタッチャブルな話題として取り上げられる事もなかった。しかし、今年初頭辺りから、二人が連れ立って出かける姿が、見かけられるようになっていた。関係者も、一体どうなっているのかと事態を興味深く推移を見守っていた。
今回、そんな疑問に答えるかのようなことがステージで起きた。
ステージに揃った父と息子を、かつてプムプアン・ドゥアンチャンとステージを共にしていたという司会者やお笑いタレントが取り囲んでいたとき、その司会を務めていたという男性タレントが
「ペット君もお父さんとはいろいろあったけど、もう大丈夫だね。ファンも心配していたんだから、ここではっきりさせるのはどうだい?」
この言葉にペット氏は、ファンに向かい神妙な面持ちで、心配をかけた事を詫び、父の前に跪いた。そして、土下座のようにして父に手を合わせた。
「あの時、わたしは頭に血が上っていました。父も恐らく同様だったみたいです。そのため、ここ何年かずっと別々に暮らして来ました。でも、お互いに血の繋がった親子でもあるし、こんな事はきっと母も悲しんでいる。何よりもファンの皆さんに心配かけるばかり。それじゃ良くない。もう一度、父と親子として正直に向き合えるようになりました」
そう語るペット氏を温かく見守る父グライソン氏。これからは息子を影からしっかりと支えて行きたいと語った。
歌姫プムプアンの元夫と一人息子は、ステージを降りると、エカマイで行われているもう一つ追悼コンサート出演するために急ぎバンコクへ向かって行った。
この日、天国の歌姫プムプアンは、ホッと安心できたことだろう。そして、ファンの暖かい歓声に包まれる二人を見守っているに違いない。この日、プムプアン・ドゥアンチャンの息子と夫の和解を見届けた多くのファンの中には、涙を浮かべる姿もあった。
プムプアン・ドゥアンチャン。死して23年。今でもその歌は、多くのタイ人に夢と希望を与え続けている。その遺志を引き継ぐ若き歌手たちは、遥か天国にいる彼女のようになることを目指して、歌い続けている。
親子がステージを去った後、プムプアンの遺志を継いだ歌手たちが、次から次へと歌姫を忍ぶ歌を捧げていた。
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】
1992年6月13日に32才という若さでこの世を去ったプムプアン・ドゥアンチャン。彼女には、夫グライソン氏との間に一人息子がいる。ペットことパカワット・リーラマキンさんは、昨年トップライン社と契約。母と同じ歌手の道を歩み始めた。これまでもラジオのDJやタレントとして活動もしていた。
プムプアンの生まれ故郷スパンブリーで、毎年行われる追悼コンサートに何年も顔を見せていなかった一人息子のペット氏。それは、数年前に父グライソン氏との間に起きた確執が原因だった。
しかし今年、そんなペット氏が父親グライソン氏に紹介される形で、母の眠る寺でのステージに登場した。
実はこの親子については、2009年に仲違いをして以来、業界内でも本人たちの前では、アンタッチャブルな話題として取り上げられる事もなかった。しかし、今年初頭辺りから、二人が連れ立って出かける姿が、見かけられるようになっていた。関係者も、一体どうなっているのかと事態を興味深く推移を見守っていた。
今回、そんな疑問に答えるかのようなことがステージで起きた。
ステージに揃った父と息子を、かつてプムプアン・ドゥアンチャンとステージを共にしていたという司会者やお笑いタレントが取り囲んでいたとき、その司会を務めていたという男性タレントが
「ペット君もお父さんとはいろいろあったけど、もう大丈夫だね。ファンも心配していたんだから、ここではっきりさせるのはどうだい?」
この言葉にペット氏は、ファンに向かい神妙な面持ちで、心配をかけた事を詫び、父の前に跪いた。そして、土下座のようにして父に手を合わせた。
「あの時、わたしは頭に血が上っていました。父も恐らく同様だったみたいです。そのため、ここ何年かずっと別々に暮らして来ました。でも、お互いに血の繋がった親子でもあるし、こんな事はきっと母も悲しんでいる。何よりもファンの皆さんに心配かけるばかり。それじゃ良くない。もう一度、父と親子として正直に向き合えるようになりました」
そう語るペット氏を温かく見守る父グライソン氏。これからは息子を影からしっかりと支えて行きたいと語った。
歌姫プムプアンの元夫と一人息子は、ステージを降りると、エカマイで行われているもう一つ追悼コンサート出演するために急ぎバンコクへ向かって行った。
この日、天国の歌姫プムプアンは、ホッと安心できたことだろう。そして、ファンの暖かい歓声に包まれる二人を見守っているに違いない。この日、プムプアン・ドゥアンチャンの息子と夫の和解を見届けた多くのファンの中には、涙を浮かべる姿もあった。
プムプアン・ドゥアンチャン。死して23年。今でもその歌は、多くのタイ人に夢と希望を与え続けている。その遺志を引き継ぐ若き歌手たちは、遥か天国にいる彼女のようになることを目指して、歌い続けている。
親子がステージを去った後、プムプアンの遺志を継いだ歌手たちが、次から次へと歌姫を忍ぶ歌を捧げていた。
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】