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MERS韓国で感染拡大、 死者16人 感染者150人ー不安感広がる

Global News Asia 2015年6月15日 13時32分

 2015年6月15日、ベトナムメディアによると、ベトナム政府は、中東呼吸器症候群(MERS)の感染が韓国で拡大していることから、すでに先週、韓国への渡航自粛勧告を出した。

 感染者は150人(16人死亡・退院10人・治療中124人)に及んでいる。ソウルから約320キロも離れた釜山でも死者が出たり、スロバキアに入国した韓国人男性がMERSの疑いで隔離措置が取られており、空港などでの検疫体制の強化を進めているが、潜伏期間が2~14日あり、入国後に発症した場合を想定して対策を講じている。

 MERSウィルスは新しいウィルスの為、解明されていない部分が多く、中東での感染防止策が、そのまま韓国での流行防止に通用するかどうかも手探りの状況だ。空気感染はしないと言われていたが、換気の悪い密閉性の高い部屋で、飛沫感染とは思えないエアコンのフィルターを介して感染したのではないかと思われるケースもある。感染経路の確定が困難な個々のケースも多いという。初期対応のまずさに加え、韓国では、一つの病院で症状の改善がみられない場合など、3~4カ所の病院を渡り歩く「ドクターショッピング」や、入院患者への見舞いに多くの人が行く慣習が、短期間に感染が広まった背景になっているのではないかと見られている。

 MERSの抗ウィルス薬は完成されていないため、根本的な治療方法はなく、感染した場合、症状に合わせた対処療法しかない。体力の弱い人や糖尿病や肺疾患、免疫不全の人が感染した場合のリスクは特に高い。ワクチンも無いため予防接種もできない状況だ。韓国の隔離対象者は5,000人を超えているが、自宅での自主管理での隔離が多く、どこまで徹底できるのか不安な状態だ。さらに、高度な医療を提供している中核医療機関・サムスンソウル病院が部分閉鎖に陥るなど、終息する見通しがなかなか見えてこない。
【編集 : MM】

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