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【タイ】野生動物保護活動家の有名モデルが逮捕―有力者関与の疑惑?

Global News Asia 2015年6月30日 18時0分

 2015年6月30日、タイは日本と似た象徴君主制民主主義とされている。しかし、これはあくまでも建前であり、実態はまだまだ持てるものが優位に保護され、持たざるものはその力の前になす術も無く、ひれ伏し従っている。そんな実情を象徴するような事件が明るみになった。

 タイの人気モデル、ユイさんとそのスペイン人の夫ラモスさんは、以前から熱心な野生動物の保護活動を続けていた。ある時、ユイさんがタイの有力者(氏名不詳)のもとへ送られる途中のレオパードを保護した。すると警察に野生保護動物違法所持で自宅捜索をされた。その前後にレオパードの件について、警察が40万バーツ(約150万円)を要求したが、ユイさんらはこれを拒否している。

 その後、海外から帰国したユイさんが空港で体調を崩した際に、見知らぬ女性から気分がよくなると貰ったチョコレートから、コカインが検出され逮捕されてしまう。その後、取り調べで署名すれば釈放と言われ署名するも、そのまま投獄。裁判では、所持量が25倍に増やされ懲役15年を言い渡された。

 夫ラモス氏は記者会見を開き、こうした一連の件はすべて有力者にハメられたものだと訴えている。

 明らかに最初のレオパード保護に端を発しているこの件には、空港でのコカイン検出や、警察でのやり取り、そして裁判での所持量の増加など、有力者の力が働いていると思わせることが多々ある。タイでは、こうしてお金と力を持っているものが優位になるような仕組みが根深く残っている。

 以前も王族の子息が高速道路で死亡を事故をおこし、直後にスマホをいじっている写真がリークされた事件の時も、執行猶予付の判決が下り、一般大衆からは大きな不評を買ったが、少し話題になっただけで、結局、被害者は泣き寝入りだった。

 また、タイ国内の外国籍企業もタイ人との労働争議には気を遣う。タイの労働局は、あくまでもタイ人の労働環境を整えるのが仕事だとして、タイ人従業員が不正を行い、訴え出たとしても、企業に満足できる解決がもたらされるケースは少ない。

 そして旅行者がトラブルに巻き込まれるケースも少なくない。見知らぬ人や旅先で知合った人からの預かりものを頼まれ、その中に麻薬が入っていて、数十年の懲役を受けている人もいる。

 現在の軍事政権下において、ケースによっては軍事裁判になる。そうなると3審制の民主裁判制度は無視され、一審のみで評決される事となる。軍政は、必要最低限の行使だと言っているが、不敬罪や軍政批判などについては、容赦はない。こうして実態を記事にしている事も、本来は危険を伴っている。

 タイに在住する方や、仕事で関係する方、旅行に来られる方も、こうした実情は頭に入れておいて欲しい。

 また、在タイ日本大使館の発する危険情報なども常に確認しておくといいだろう。

 タイにおいては、すべからく「君子危うきに近寄らず」を徹底することをお勧めする。
【翻訳/編集 : KK】

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