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【カンボジア】農村部の子どもたちに映画を届ける「CATiC」活動報告会を開催

Global News Asia 2015年6月30日 20時21分

 2015年6月27日、茅場町にあるソーケングループのサロンで、カンボジア農村部の子どもたちに映画を届ける活動を行なっている「特定非営利活動法人CATiC」の活動報告会が開催された。

 CATiCは4月30日から5月5日まで、カンボジア王国シェムリアップ州地域での、移動映画館キャラバンを実施。

 「映画を届けることは、夢の種まきです」というキャッチコピーのもと支援を募ったところ、32の個人・団体から48万4千円の資金が集まり実施にこぎつけた。活動報告会には、大学生から70歳ぐらいまでの様々な人が会場に集い満席となった。

 報告会の進行を務めたのは、IT企業に勤めながらマジシャンとしても活躍する岩城信二さん。

 映画というエンターテイメントを届ける活動ということで、日本のイベントでもエンターテイメント性を意識しているという。司会をしながら出したハンカチから鳩が飛び出ると参加者から歓声が湧いた。

 活動報告を行ったのは、ゴールデンウィーク中の移動映画館キャラバンでリーダーをつとめた上智大学三年生の山下龍彦さん。日本からカンボジアへ行ったメンバー6名と、カンボジア人の学生3名で、8カ所の村を回り映画を上映。合計701名の子どもたちに映画を届けることができたという。

 上映した作品は、株式会社白組が制作した『劇場版 ゆうとくんがいく』。長友選手が監修したサッカーのアニメだ。

 上映後は、地元のプロサッカー選手によるサッカーのワークショップも開催。途上国の地域の子どもに将来の夢を聞くと、先生か医者が圧倒的だが、今回は「サッカー選手」と答える子が多数いたという。

 後半は『劇場版 ゆうとくんがいく』を提供した株式会社白組の取締役 経営企画部長 亀山暢央さんが映画業界について講演。

 また、今年2月に日本武道館で行われた日本一の夢を決めるプレゼン大会「みんなの夢アワード5」では、CATiC代表の教来石小織さんがグランプリに輝いた。その時のスピーチ映像もこの報告会で初公開された。

 みんなの夢アワード5の副賞である最大2000万円分の支援は、寄付ではなく経済的に持続可能な事業に対する出資か融資。

 CATiCの活動は、メンバーの自腹と支援者の寄付で成り立っており、経済的に持続可能とは言い難いため、現時点では出資も融資も受けていない。

 CATiCではソーシャルビジネスとして成立する事業を考え提案書を出そうとしている最中だ。継続できる収益を得られるようになることはNPOの課題である。

 CATiCは少しずつ収益化を目指そうと、この日からステッカーやポストカードなどのグッズ販売を開始。グッズの中で面白いのは「夢の種」。夢の種と名付けたカラフルな植物の種を封筒に入れて販売している。

 封筒に描かれているのは、映画を観に来た子どもたちが描いた将来の夢の絵。夢の種一つの購入で、3人の子どもに映画を届けられるそうだ。

 2016年3月にはHISと共同で映画を配達するスタディーツアーを企画しているという。また、年内にはセンジュ出版より、教来石さんの本も出版されることが発表された。カンボジア始め途上国の子どもたちに映画で夢の種をまき続けるための挑戦は続く。

【編集 : 安麻比呂】

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