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【タイ】インリー新曲が登場2週目で首位、無名新人が話題に

Global News Asia 2015年8月2日 17時0分

 2015年8月2日、7月最後の週にタイ全国がカオパンサーの祭りで各地が賑わっている中、ラジオのヒットチャートも、賑わいを増していた。その中には、久々に登場した男性の大型新人は、タイ初のネット出身ともいうべき歌手として、これから注目を集めそうだ。

 Intensive Watch社が発表した7月最終週のルークトゥン・ヒットチャートで、インリー・シーチュンポンさんの新曲「ユー イェン ペン ソッ」が、登場2週目で首位になった。彼女は、「コー チャイ ター レーク バートー」が足掛け3年の大ヒットを飛ばして、今や出せばヒットする人気歌手になっている。チャートが発表された日には、自身2作目となるソロアルバムが発売されたこともり、幸先のいいスタートとなったようだ。

 また、チャート6位にエントリーしたほとんど無名の男性新人が話題になっている。ゴン・フワイライの「サイワー シ ボ ティムカン」がその曲。

 ゴンは、かつてBBレコードという新興レーベルで、4人組男性ルークトゥングループの一員としてデビュー。しかし、パッとしないまま契約が終了。他の3人はBBレコードに残ったものの、彼だけが独立していた。

 そして、今年になってからYouTubeにアップした自主制作の曲が20日間で200万ビューを記録し、タイ人、特に女性たちの間で大きな話題となっていた。その間、テレビやラジオなどにはほとんど出演していないにも関わらずだ。形としては、タイで初めて登場したネット発のルークトゥン歌手になったのだ。

 今ではタイにも、ネットアイドルは多く存在する。ほとんど女性が多く、そのアクセスの多さには、様々なスポンサーが注目して、製品の売り込みなどにも使われている。しかしこの曲は、タイ東北部方言イサーン語で歌われているため、話題にする中心は、やはりイサーン人だけだったことが、これまで彼の存在が表に出なかった一因だろう。

 ヒットチャートへの登場で、ますます注目を集めているゴンであるが、つい最近では複数の公演がキャンセルに追い込まれているというニュースがある。

 このトラブルの原因は、ゴンがかつてつき合っていた恋人によるもので、過去のトラブルについて多額の請求をされているためだ。別れた後に大ヒットして成功した彼を見て妬んだのだろうと言われているが、イベント主催者はこうしたトラブルを嫌ってキャンセルをして来るという。

 かつて、学もなく読み書きさえできなかったプムプアン・ドゥアンチャンは、今でもルークトゥンの女王と呼ばれて続ける存在になった。デビュー曲、たった一曲の大ヒットで外車と家まで新築した歌手は、田舎のコンテストで優勝できなかった女の子だった。

 ポップスやアイドルとして、テレビを賑わしているタイの芸能人には、財閥の子息や外国人とのハーフも多い。しかし、このルークトゥンの世界は歌一つで、田舎のコンテストから這い上がっているという構造が今も続いている。

 まさにアメリカンドリームのタイ版でもあるのだが、そこに時代に合わせたかのように新たな道筋としてネットから出現した新人ゴン。このヒットで大きな飛躍していくだろうが、足下に絡み付くトラブルはうまく切り抜けて欲しいものだ。

 Intensive Watch社により統計は、バンコク周辺のFMラジオ局約40社でのオンエアー回数をカウントして行われており、ポップスチャート、洋楽チャートそして、ルークトゥン(歌謡曲)の3つのチャートがベスト20まで毎週発表されている。

協力:ルークトゥンタイランド!
【取材/執筆 : そむちゃい吉田】

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