2015年8月26日、今週発表されたインテンシブウォッチ社よるタイのヒット曲統計によると、YouTubeで話題になった無名新人の曲がトップになり、再び話題となっている。
無名の新人歌手が、YouTubeにアップした曲が、口コミで話題になった。そんな曲が、バンコク近郊40局で放送された曲の統計を取り毎週発表しているインテンシブウォッチ社のヒットチャートで、ついに1位になってしまった。
ゴン・フアイライという無名だった歌手による「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・カン」(約束)が、初めて登場したのは7月最終週で6位だった。(8月2日当サイトで配信)その翌週に2位に上昇したが、2位、4位と足踏みしていた。
そして、先週の統計でついに1位になったわけだが、無名の歌手がネットで話題となって、大会社のような宣伝も無いまま1位になったというのは、タイでも初めての事だ。
今回、一躍脚光を浴びたゴン・フアイライ。所属していた歌謡グループを脱退して、故郷のタイ東北部イサーンに戻っていた彼の元に、そろそろ新曲作らないか? と友人たちに誘われて作ったのがこの曲だったという。そしてその友人たちに知合いの女優を呼んでたった半日でプロモーションビデオを撮影。
最初は自身のFacebookにアップしたものの、いいね! は6つしかつかなかったとか。しかし、YouTubeにアップするといつの間にか視聴回数が一気にアップ。20日間で20万ビューにもなった。そして、5月中旬にバンコクで初となる公演では、会場に入りきれないほどのファンが詰め掛けることになった。(8月25日時点で110万ビューに上がっている)
この曲は、タイ東北部方言、ラオス語にも似たイサーン語で歌われ、歌詞もメロディーにも、さほど目新しさなども感じられない。そして歌い手も、お世辞にもハンサムとは言い難い。それがなぜこれほどの話題となり、ヒットしているのだろうか。
タイ人に聞くと、普通の身の回りにある、誰もが経験した事を歌っているからだという。この歌に、誰もが自分を重ね合わせて聞いているという。実際にこの曲も、別れないと約束していたのに、去って行った元カノを未練タラタラに思っているさえない男のことを歌っている。
それともうひとつの要因は、タイの昔ながらの口コミ文化だろう。そして、現在のタイでは、ネットが口コミ文化の枠をさらに押し広げている。1都市でのフェイスブックユーザー数でバンコクが世界一となっていることがそれを証明している。
大手広告代理店の宣伝戦略にも、この口コミのルートは、重要な位置を占めている。ネットアイドルを使ったキャンペーンは、今や当たり前になっており、実際の芸能人よりもいいねの数が多いファンページをもつアイドルも珍しくない。
しかし、このゴン・フアイライの場合、彼と友人たちによるSNSの繋がりが、全ての始まりだったことを考えると、大手のような資本を掛けずとも、大きなチャンスをつかむ事が出来る。タイにもそんな時代が来ている事を告げているように思えてならない。
【執筆 : そむちゃい吉田】
無名の新人歌手が、YouTubeにアップした曲が、口コミで話題になった。そんな曲が、バンコク近郊40局で放送された曲の統計を取り毎週発表しているインテンシブウォッチ社のヒットチャートで、ついに1位になってしまった。
ゴン・フアイライという無名だった歌手による「サイ・ワー・シ・ボ・ティム・カン」(約束)が、初めて登場したのは7月最終週で6位だった。(8月2日当サイトで配信)その翌週に2位に上昇したが、2位、4位と足踏みしていた。
そして、先週の統計でついに1位になったわけだが、無名の歌手がネットで話題となって、大会社のような宣伝も無いまま1位になったというのは、タイでも初めての事だ。
今回、一躍脚光を浴びたゴン・フアイライ。所属していた歌謡グループを脱退して、故郷のタイ東北部イサーンに戻っていた彼の元に、そろそろ新曲作らないか? と友人たちに誘われて作ったのがこの曲だったという。そしてその友人たちに知合いの女優を呼んでたった半日でプロモーションビデオを撮影。
最初は自身のFacebookにアップしたものの、いいね! は6つしかつかなかったとか。しかし、YouTubeにアップするといつの間にか視聴回数が一気にアップ。20日間で20万ビューにもなった。そして、5月中旬にバンコクで初となる公演では、会場に入りきれないほどのファンが詰め掛けることになった。(8月25日時点で110万ビューに上がっている)
この曲は、タイ東北部方言、ラオス語にも似たイサーン語で歌われ、歌詞もメロディーにも、さほど目新しさなども感じられない。そして歌い手も、お世辞にもハンサムとは言い難い。それがなぜこれほどの話題となり、ヒットしているのだろうか。
タイ人に聞くと、普通の身の回りにある、誰もが経験した事を歌っているからだという。この歌に、誰もが自分を重ね合わせて聞いているという。実際にこの曲も、別れないと約束していたのに、去って行った元カノを未練タラタラに思っているさえない男のことを歌っている。
それともうひとつの要因は、タイの昔ながらの口コミ文化だろう。そして、現在のタイでは、ネットが口コミ文化の枠をさらに押し広げている。1都市でのフェイスブックユーザー数でバンコクが世界一となっていることがそれを証明している。
大手広告代理店の宣伝戦略にも、この口コミのルートは、重要な位置を占めている。ネットアイドルを使ったキャンペーンは、今や当たり前になっており、実際の芸能人よりもいいねの数が多いファンページをもつアイドルも珍しくない。
しかし、このゴン・フアイライの場合、彼と友人たちによるSNSの繋がりが、全ての始まりだったことを考えると、大手のような資本を掛けずとも、大きなチャンスをつかむ事が出来る。タイにもそんな時代が来ている事を告げているように思えてならない。
【執筆 : そむちゃい吉田】