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【タイ】タイの中古携帯端末市場の現状

Global News Asia 2015年10月15日 9時0分

 2015年10月15日、日本でも携帯電話のSIMフリー化が始まり、中古携帯端末市場はこれから更に大きく変化してく事が予想されるが、タイでは1990年代後半に携帯電話が登場した時からSIMカードが入れ替え可能な端末が使用され、消費者は端末とSIMを別々に入手しなければならなかった。そのため、日本と比べると初期のころから中古市場が発展していた。

 当時の携帯電話は高いもので1万バーツ前後(約3万4500円)で、一般的には1000バーツ台から5000バーツ程度のものを使う人が多かった。

 徐々に普及率が高まると、できるだけ安く端末を手に入れたい層も増え、中古市場が大きく発展した。高級機種に手が出なかった人が中古で購入したり、新しい機種への買い替え時に売却して資金にしたりするなどで多く利用され、商業施設や市場には個人携帯電話端末ショップが乱立した。

 しかし、経済的に豊かになり、中古品が敬遠される風潮が2010年前後から生まれてくる。経済的に豊かになったので、高性能化した分、以前よりも端末の値段が上がっても購買力のある層はそれ以上に厚くなり、新品市場が好調になっているように見受けられる。特にスマートフォンが主流になった現在、中古品はほとんど見向きもされていない。

 スマートフォンの買い換え時期で多いのは、発達するネット環境などに端末が対応できなくなったり、壊れたりしたときかと思う。後者はそもそも売れないし、端末のスペックが型落ちした場合、中古で買うメリットがないことも中古品が不人気になった原因だ。

 また、新品端末の販売店がチェーン店化して以前よりも気軽に分割払いができるシステムなどができたことも、より中古に目が向かなくなった理由だ。

 タイは湿気が高いためか故障もよくあることから、しっかりとした保証のある正規店や正規代理店などで新品を買うことも常識となりつつある。

 このため、これまで乱立してきた中古品店はスマートフォンのカバーやフィルム、アプリ(違法のケースが多い)などのアクセサリー販売にシフトしている。

 日本の中古携帯端末市場は最初からスマートフォンが主流かと思う。その場合、かつてのタイのような大きな市場にはならないのではないだろうか。
【執筆 : 高田胤臣】

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