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【タイ】不敬罪の実例を掲載した民主派サイトオーナーに態度矯正

Global News Asia 2015年10月29日 10時0分

 2015年10月29日、軍政になって以降、かつてなく厳然と施行されている不敬罪。地元メディアが報じたところによると、その実例を取りまとめ、わかりやすく解説したサイトのオーナーが、軍政によって拘束され、態度矯正を受けているという。

 問題とされたサイトは、民主主義を尊重するタイ語サイトで投稿は、不敬罪に関する過去の判例をイラスト付きでわかりやすく解説している。

 タイ軍政当局は、このサイト所有者に対して、態度を矯正するとして収監した。軍政への批判的な態度や不敬罪について、再教育を施されるという。

 現在の軍政になって以降、民主活動家、タクシン派支援者や大学教授など、こうした事例が後を絶たず、いずれも軍の施設に収容され、態度矯正が行われるという。

 また、外国人が対象となった場合は、強制退去と再入国拒否という処分がほとんどだ。かつて、プミポン国王陛下が壮健であった頃には、不敬罪で収監されたものは全て恩赦が適応されていたが、現在は厳格に適応されているので、外国人と言えども言動には配慮が必要になっている。

 以下に問題とされたサイトに掲載された不敬罪の実例について翻訳するが、あくまでも不敬罪についての知識が無い日本人に、タイ国内外での言動に留意してもらう注意喚起として掲載したい。

不敬罪適応判例

1:便所の落書きに1年半
2014年10月、68才の男性がトイレにした落書きが不適切として一件につき1年6カ月。落書きは2個だったために合計3年の懲役。

2:演劇公演に2年半
1973年10月14日に起きた血の日曜日と呼ばれる事件から40周年となる2013年10月に公演された演劇の内容が不適切であるとして、保釈無し2年半の判決。

3:政治集会で指を空に向けて誰かを指して2年
2010年3月、政治集会において、空に向けて指を指し示した(誰かを連想させた)ことが不適切であるとして、保釈無し2年の懲役。

4:記事転載で10年
2013年3月、他人が書いた不適切な内容の論文を記事として掲載したとして懲役10年の求刑。現在最高裁へ上告中。

5:タクシー内での会話2年半
タクシー運転手が乗客との会話の中で不適切な発言をしたとして2年半の懲役。乗客が会話を録音して警察へ持ち込んだもの。

6:映画館で不起立2年
映画館で上映前に流れされる国王讃歌の際に、起立しなかったとして懲役2年。他にも1年半の事例もある。

7:ファイルのアップで2年半
ファイル共有サイトへ不適切なファイルをアップしたとして2年半の判決。

8:SMS送信20年
SMSで送信された内容が不適切であったとして懲役20年。しかし、病気療養で入院していた容疑者は判決の数日後に病死。

9:肖像画棄損5年
2014年9月チェンライで精神疾患者が公共の場所にあった肖像画を棄損した事に対して、懲役5年。疾患について考慮されていたかは不明。

10:CD販売2年8ヶ月
海外で制作放映された君主制の終焉などを取り上げたドキュメンタリーを、ビデオCDとして販売。2年8カ月の懲役。

11:肖像を踏みつけ1年
2012年9月肖像画を踏みつけたとして1年。条件付き執行猶予3年。

12:発禁図書の翻訳4年
2009年から14年にかけて、発禁指定された王室を批判する内容の英文書籍を翻訳したとして4年。

13:パンフレット配布4年
不適切な内容のパンフレットを配布したとして懲役4年、執行猶予3年。

14:Facebookへの投稿60年
Facebookへ不適切な内容の投稿をしたとして懲役60年。これは複数回の投稿に対する合計年数。それぞれ再教育を条件に執行猶予3年。
【翻訳/編集 : YY】

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