2016年1月29日、タイの社会に根付いている助け合いと社会貢献。その一つの姿をタイ北部チェンマイ郊外で取材した。
タイの人々は仏教徒であれムスリムであれ、積極的に募金や寄付を日常のように行う。仏教的には、喜捨(タンブン)は来世の幸せになるためとされ、お寺への参拝も欠かさない。
また、タイの歌手は毎年のようにプライベートなチャリティーコンサートを催す。普段から支えてくれるファンへの感謝とお寺や慈善団体への寄付を目的としているのだが、去る1月23日(土)に、タイ北部チェンマイ郊外で行われた小さなチャリティーコンサートが行われたので取材させてもらった。
シアー・アールサヤームさんは、2009年にアールサヤーム社からメジャーデビュー。以来、ヒット曲を世に送り出している中堅どころの歌手だ。しかし、活動歴は長く、デビュー前は裏方として、曲作りやスタジオミュージシャンとして、歌手たちを支える立場に長くいた。
自身がメジャーデビュー以降、幸いにもヒット曲にも恵まれた事から、将来を見据えて3年ほど前にチェンマイ郊外に小さなリゾートホテルを建設した。今はプライベートな時間を静かに過ごすことを目的としているため、宣伝などもしていないが、仲間内や飛び込みのお客に事欠かないという。
そんな彼女も、チャリティー活動には積極的だ。今回自ら企画したのは、8つの慈善施設と一つの寺院への寄付を目的としたコンサート。自然に囲まれたリゾートで「公園コンサート(ドントリーナイスワン)」と題して行われたコンサートには、同じアールサヤーム社から歌手仲間たちが駆けつけた。
コンサートでは、冒頭に寄付を予定しているシーサンワーン養護学校から招かれたプロムパットくんがステージに登場。歌手顔負けの歌を披露した。プロムパットくんは生まれつき、手足が不自由だが、口を使って絵筆を取り、歌も歌手顔負けなほどの芸術家として、チェンマイでのイベントでは多く招かれる存在。
また犬猫好きで、リゾートにも10匹の猫と1匹の愛犬を飼っているシアーさんは、他に犬猫の保護施設にも寄付をするという。コンサートは予定になかった歌手もやって来るなど、深夜過ぎまで盛り上がり、歌手たちも久しぶりの憩いともいえる時間を共に過ごしていた様子だった。
タイの人々は、人の役に立ちたいという事よりも、まず自分自身の良き輪廻転生のために寄付をする。人助けもその会陰頂上にあるとわかった上で行っている。日本とは少し違った価値観だが、実際にそれで救われる人も少なくない。あれこれと理由付けを求めたり、偽善だと中傷をされることはタイではほとんどない。もちろん、寄付金が他に流用された時には、それなりに制裁を受けることになる。そして、一番忌み嫌われるのは、何もせずに傍観していたり、ケチろうとする行為だ。
【取材/撮影 : そむちゃい吉田】
タイの人々は仏教徒であれムスリムであれ、積極的に募金や寄付を日常のように行う。仏教的には、喜捨(タンブン)は来世の幸せになるためとされ、お寺への参拝も欠かさない。
また、タイの歌手は毎年のようにプライベートなチャリティーコンサートを催す。普段から支えてくれるファンへの感謝とお寺や慈善団体への寄付を目的としているのだが、去る1月23日(土)に、タイ北部チェンマイ郊外で行われた小さなチャリティーコンサートが行われたので取材させてもらった。
シアー・アールサヤームさんは、2009年にアールサヤーム社からメジャーデビュー。以来、ヒット曲を世に送り出している中堅どころの歌手だ。しかし、活動歴は長く、デビュー前は裏方として、曲作りやスタジオミュージシャンとして、歌手たちを支える立場に長くいた。
自身がメジャーデビュー以降、幸いにもヒット曲にも恵まれた事から、将来を見据えて3年ほど前にチェンマイ郊外に小さなリゾートホテルを建設した。今はプライベートな時間を静かに過ごすことを目的としているため、宣伝などもしていないが、仲間内や飛び込みのお客に事欠かないという。
そんな彼女も、チャリティー活動には積極的だ。今回自ら企画したのは、8つの慈善施設と一つの寺院への寄付を目的としたコンサート。自然に囲まれたリゾートで「公園コンサート(ドントリーナイスワン)」と題して行われたコンサートには、同じアールサヤーム社から歌手仲間たちが駆けつけた。
コンサートでは、冒頭に寄付を予定しているシーサンワーン養護学校から招かれたプロムパットくんがステージに登場。歌手顔負けの歌を披露した。プロムパットくんは生まれつき、手足が不自由だが、口を使って絵筆を取り、歌も歌手顔負けなほどの芸術家として、チェンマイでのイベントでは多く招かれる存在。
また犬猫好きで、リゾートにも10匹の猫と1匹の愛犬を飼っているシアーさんは、他に犬猫の保護施設にも寄付をするという。コンサートは予定になかった歌手もやって来るなど、深夜過ぎまで盛り上がり、歌手たちも久しぶりの憩いともいえる時間を共に過ごしていた様子だった。
タイの人々は、人の役に立ちたいという事よりも、まず自分自身の良き輪廻転生のために寄付をする。人助けもその会陰頂上にあるとわかった上で行っている。日本とは少し違った価値観だが、実際にそれで救われる人も少なくない。あれこれと理由付けを求めたり、偽善だと中傷をされることはタイではほとんどない。もちろん、寄付金が他に流用された時には、それなりに制裁を受けることになる。そして、一番忌み嫌われるのは、何もせずに傍観していたり、ケチろうとする行為だ。
【取材/撮影 : そむちゃい吉田】