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【タイ】「世界で貢献するJICAシニア海外ボランティア」9・田舎暮らし庶民の足・ソンテウ

Global News Asia 2016年3月11日 3時0分

 2016年3月11日、シリーズ「世界で貢献するJICAシニア海外ボランティア」を定期的にお届けする。JICAシニア海外ボランティアとして、コラートで障がい児・障がい者の指導にあたられている大塚千枝子さんに「田舎暮らし庶民の足・ソンテウ」について執筆してもらった。

 タイの地方に来て驚いたのは、庶民にとって便利な交通機関が以外とたくさんあることでした。バイク(モーターサイ)、自転車(サームロー)、大型バス、ワゴン車(ロットゥー)、ソンテウ、タクシー、トゥクトゥクなどです。

 今回書かせていただく「ソンテウ」は基本的には決まった停留所はあるものの合図をすれば、好きなところで乗せてくれたり、降ろしてくれたりもします。ソンテウを停める合図は、日本のように手を高く上げるものではなく、真横よりやや下に手を突き出すのが一般的です。そんなふうに車を停めている日本人はタイ通に見えること間違いなしです。

 ソンテウはトラックの荷台を客席に改造したもので、ソンテウとはタイ語で「2列」という意味ですが、客席が2列になっているものが多いです。車体は地方により違いがあります。天井が低く客席では立てないもの、窓にガラスがなく雨の日はずぶ濡れを覚悟しなければならないもの、客席に扇風機と大型のスピーカーが付き、ソンテウでの移動空間を快適に楽しめるようにしているもの等、多種多様です。

 走った方が早いと思えるスピードの運転もあるが、概ね乱暴でアクセルを思いっきり踏み込んでいるような運転が多く、足腰を鍛えて立っていないと車外に投げ出されそうになります。
 
 タイの乗客マナーはとてもよく、老人優先、女性優先で、当然私のような老人は荷物を持って立っているなんてことはありえません。と言いたいところですが、男性はすぐに席を譲ってくれますが、若い女性は「私だって女性! !」をアピール。譲ってくれません。どんなことをしてみても20代には見えない私なのにと心でつぶやきながら、振り落とされないように必死に棒にしがみついています。

 地方によって多少違いはありますが、私の住んでいるナコーンラチャシーマ(コラート)は、市街の中であればどこでも8バーツと、料金も安く日常的な交通手段としては非常に便利です。ただ、日本のように降車停留所の道路向かいが帰りの乗車停留所だと思って待っていたら、永遠に家には帰られません。また、同じ番号のソンテウが同じ方向に行くともかぎらないので、同じ番号のバスだからと信じて乗っていたら泣くことになります。

 コラートに来て1年弱、未だに路線がわからず、時々本当に情けない表情で、「ここはどこ?」と聞いている状況です。そんなことにならないように、ソンテウを利用するときは、必ず運転手に確認することが大事です。

 乗車料金は降車時に運転手に渡します。運転手は釣り銭をダッシュボードに並べて、すぐ渡せるようにしていますが、大きなお金での支払いは避けた方が良いですね。ソンテウを乗りこなせる人はタイ人になれるかもしれません。是非、バンコクとはちょっと違った地方ならではの風情を楽しむ旅も経験してみては如何でしょうか。

【執筆/撮影 : JICAシニア海外ボランティア大塚千枝子 】

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