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【タイ】バンコク最後の秘境、中華街ヤワラーが大きく変わろうとしている

Global News Asia 2016年3月5日 9時0分

 2016年3月5日、タイはずいぶんと近代化し、1990年代まであった混沌とした雰囲気や、東南アジアらしいルーズさ、南国を強調するかのような人のよさが徐々に失われている。その分、理不尽なトラブルが発生しなくなって過ごしやすくはなったのだが、かつてのタイのおもしろさがなくなったと、そのころを知る日本人はみな口を揃える。

 そんな中で、まるで時間が止まったように混沌とした雰囲気を残していたバンコクの中華街ヤワラー。道路にまで溢れている飲食屋台や、何百メートルも続く細い路地の左右にギッシリと並ぶファンシーグッズの店。生きているのか死んでいるのかわからないように寝そべる浮浪者や、ガラクタとしか言いようのないものを歩道に並べて売る男たち。

 最後の秘境とも言えるヤワラーだったが、地下鉄工事でその姿が変わってしまおうとしている。タイ人は日本人のように創業何年といった古いものにあまりこだわらない。ヤワラーは1880年代から形成され始めている街で、100年以上続く飲食店も多いのだが、地下鉄工事でそういった古いものが壊され、バンコクの都心と同じようにコンドミニアムや商業施設が建設されようとしている。

 バンコク最後の混沌を味わうには、今がまさに最後かもしれない。あと1、2年もすれば地下鉄が完成し、確かに行きやすくなるが、その分おもしろさも失われる可能性がある。

【執筆 : 高田胤臣】

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