【タイ】カウンター式でタイ人が横一列になって食べるトマト入りラーメン

　2016年3月21日、日中はビジネス街で、夜になると繁華街になるバンコクのシーロム・エリア。東京で言えば新宿のような地域で、夜遅くまで飲食店も営業している。特に日本人には、タイ人から日本人通りとも呼ばれるタニヤがよく知られ、男性向けのカラオケ・クラブが多数並び、ほかには日本人向けの飲食店も多く並んでいる。

　このタニヤだけでも数軒のラーメン店があるが、中でも異彩を放っているのが「トマト・ヌードル」だ。店舗はカウンターが一列にあるだけの簡素なものなのだが、昼時や夕方から夕食の時間帯にかけてはタイ人のサラリーマンなどが横一列になってラーメンをすする後ろ姿が見られる。

　看板メニューでもあるトマト・ヌードルはスープにトマトが入ったラーメンで、一見合わないイメージは否めないが、案外おいしく、在住日本人にもファンは多い。人間がおいしさを感じるのは旨味成分だとされており、その主成分はグルタミン酸やイノシン酸で、日本人には昆布のグルタミン酸、かつお節にイノシン酸が多く、なじみ深いものでもある。そして、これらの旨味成分はトマトにも豊富に含有されているので、日本人にとってはトマトのスープも案外味覚に合うようである。実際、日本国内にもトマトを使ったラーメン店は少なくない。

　バンコクの「トマト・ヌードル」は、数店舗あるうちの特に日本人街において、タイ人の若者に非常に人気が高いようであった。

【執筆 : 高田胤臣】