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タイ人の日本旅行リピーターが求めるのは日本の「普通」

Global News Asia 2016年3月24日 9時0分

 2016年3月24日、タイではテレビや雑誌で日本の観光スポットが紹介されない日はないほど日本旅行のブームが続いている。2012年10月にバンコクから札幌への直行便をタイ国際航空が就航させたのをきっかけにして札幌雪祭りなどが身近になり、日本旅行のブームが始まった。翌2013年の7月にはタイ人のおよそ2週間の滞在はビザが免除となり、以来日本旅行ブームが定着した。

 日本の法務省がホームページで発表している出入国管理統計統計表の国籍別入国者数を見ると、2012年のタイ人訪日人数は28万人台で、ビザ免除が始まった2013年には約48万人に急増。2014年は約68万人となっている。それまではタイ人の日本旅行は厳しいビザ審査を通過せねばならず、ほとんどが旅行代理店のパッケージツアーなどに申し込んで渡航していた。ビザ免除になったことで個人旅行も急増しており、東京などの大都市では外国人向けのゲストハウスと呼ばれる簡易宿泊施設もよく利用されている様である。

 タイ人の日本旅行は観光地を巡る以外にショッピングや食事などにも目が向けられている。特に何度も日本旅行をするリピーターも増えており、まだ誰も行っていない飲食店を自身で開拓しようという人もいる。ラオスの首都ビエンチャンで日本料理店を経営する池田氏は地元・大阪の新世界にある立ち飲み居酒屋でタイ人を見かけたという。
「タイ東北部のウドンタニー県出身の20代のタイ人でした。何度も日本に来ていて、日本人しか行かない、日本らしいスポットを巡るのが好きで、ネットで立ち飲み居酒屋をみつけ、タイにはないスタイルに惹かれたそうです。」

 ただ、こういった店は英語のメニューもないので注文に苦労するのだそうだが、それもひとつの楽しみなのだとその青年は言っていたという。

 リピーターがマニアックなスポットを探すというのは1990年代から増えたタイ好きの日本人がタイでも起こしていた行動で、今はタイ人の日本好きが日本のマニアックな場所を求めている。日本人にとってはなんの変哲もない本当に普通の場所でもタイ人には面白く映る。これまで日本人しか対象にしていなかった店も、急増しているタイ人旅行者を始めとした外国人客を取り込む方策を考えておいた方が良さそうである。

【執筆 : 高田胤臣】

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