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カンボジアの地方医療を支援ーJICAカンボジア事務所

Global News Asia 2016年4月22日 6時58分

 2016年4月20日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo56」に、『地方の医療、多様な側面から支援 シハヌークビル、スバイリエン両州立病院を整備』と題する記事が掲載された。

(記事)日本の支援によるカンボジア各地での医療整備 が進んでいます。3月までに、南部・シハヌークビル州立病院の整備計画が完工、東部・スバイリエン州立病院の改善計画が着工しました。これらに加え、JICAは病院機材の維持管理強化、「5S運動」の導入などソフト面でも幅広く支援しています。

 シハヌークビル州立病院は1952年に開院。同州 最高レベルの公的病院として地域医療を担ってきましたが、老朽化が進みました。また、最近の経済成長に伴う人口増加で利用者も増え、機材や設備の整備が急務となっていました。 日本は、カンボジア唯一の国際深海港・シハヌークビル港の復興などを通じ、シハヌークビル 州に重点的に支援をしてきました。州立病院の整備計画もその一環で、無償資金協力として15億 5,400万円を拠出しました。

 ベトナムと国境を接するスバイリエン州では1月、州立病院に一般外来、救急外来、産婦人科、管理部門が入った建物の建設が始まりました。同州は、ベトナム・ホーチミン市に近いことから、近年日系を含む製造業の進出が増え、11もの経済 特別区を抱えます。しかし一方で、5歳未満児の死亡率、妊産婦死亡率、人口当たりの病床数は全国平均より悪く、生活環境は厳しい状態です。今回の無償資金協力では約10億7,700万円が拠出され、3階建ての施設のほか、手術台や超音波診断装置、産婦人科診察台など94品目の機材も調達される予定です。こうしたハード面とともに、重要なのが人材育 成や管理システムの浸透といったソフト面の支援です。例えばコンポンチャム州病院では、JICAボ ランティアが病院内に5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を導入し、作業の安全性やサービス向上に取り組んでいます。

 2014年まで8年にわたって実施されたJICAの「医療機材維持管理システ ム普及プロジェクト」をベースに、病院スタッフ全員に対して研修しました。その結果、病棟内だけでなく、敷地内全体に効果が見られたということです。 コンポンチャム州病院で5S活動に取り組むボランティアの塚田みのりさんは、「イン・シナット院長のリーダーシップがカギになった」と言います。院長はスリランカで5S研修を受けるなど病院のサ ービス改善に意欲と知識を持っていましたが、業務に追われて実行に踏み切るきっかけを逃してきました。塚田さんと取り組むことにより、積み重ねた研 修が生かされることになりました。 課題の多いカンボジアの医療、なかでも地方の医療水準はまだ低く、さまざまな側面からの支援が必要とされています。JICAは、地方の住民の皆さんにも首都と同じ水準の医療サービスを受けてもらえる よう、医療の格差縮小に取り組んでいます。
【編集 : 高橋大地】

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