【タイ】中国で撮影された、物乞いの演技を暴く動画がタイでも話題に

　2016年7月8日、中国で撮影された、両脚を失ったことで同情を買い小銭をもらおうとする物乞いが、実は演技であることを暴いた動画がタイでも話題になっている。

　動画は6月に撮影されたと見られ、日本でもネットで取り上げられており一部で話題になっていた。1分30秒程度の短編動画には、両脚を失っているためにスケートボードのような台車にうつぶせに寝そべって物乞いをする男性に、撮影者の関係者と思われる男性が話しかけているシーンから始まる。その直後に物乞いの男性は移動を始めるが、話しかけていた男性が無理矢理その物乞い男性のズボンを脱がせると、ないと見せかけていた両脚があることが発覚。両脚を折り曲げた状態でないように見せかけ、同情を買っていたと見られる。

　タイでも物乞いが都心部や繁華街で見られ、一部は巧妙に障がい者であるように見せかける演技をしているといわれる。バンコクの優秀な物乞いは。1カ月に2万バーツ(約6万円)稼ぐなど、大卒の公務員や地場企業の初任給よりも高収入。パフォーマンス物乞いの背後にタイ・マフィアなどの存在があると見られ、犯罪資金調達の温床であるともいわれる。タイのマスコミも時折、演技をする物乞いを告発している。

　見識者からは「こうした演技で稼いでいる分を、本当に障害があって物乞いをするしか、仕方がない状態に陥ってしまった人のために使えれば、よりよい社会が構築できる」という意見も聞かれる。
【執筆 : 高田胤臣】