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【南シナ海問題】仲裁裁判所「中国の主張を全て否定」・中国は確信犯一ベトナム

Global News Asia 2016年7月12日 18時39分

 2016年7月12日、フィリピンが提訴した南シナ海をめぐる領海問題で仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)は、中国の主張を全面的に否定する判断を示した。しかし、この判決を中国が受け入れる可能性は無い。中国は経済支援をちらつかせながら、南シナ海に接する各国への懐柔作戦を強化するものとみられる。

 この判決で、中国の主張(独自に設定した「九段線」という境界線をもとに、南シナ海ほぼ全域の領有権は中国にある)に根拠がないことが公になったが、裁判自体が成立しないというのが中国の立場。

 ベトナムでは、9日、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で、ベトナム漁船が中国船から体当たり攻撃を受け、沈没した。沈没した漁船は11時ごろ、中国船2隻から攻撃を受け1隻に体当たりされ沈没。海に落ちた漁船の乗組員5人を、付近のベトナム漁船が救助しようとしたところ、中国船が妨害工作を行った。救助できたのは、中国船が現場海域を離れた18時過ぎ。7時間以上、海面をさまよった5人は体温を奪われ体力も消耗し、かなり危険な状態だった。

 在日本ベトナム人会のブォン・トリ・タン副会長は「中国は、判決に従うべきです。大国なので何でも自分の思いのままになると考えているのでしょう。漁船を沈没させただけでも許される行為ではありませんが、海中に落ちた乗組員の救助を妨害する野蛮な国家です。平和的に中国に考えを改めるよう周辺各国で協調して、粘り強く交渉を重ねるのが正論ですが、個別の切り崩し工作を中国は行っています」と話す。
【編集 : KT】

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