【タイ】世界的評価も高いタイの医療事情

　2016年8月9日、世界中の病院に対して、世界中どこでも通用する基準や指標をもとにした「患者安全」「感染管理」「医療の質」などに対する審査を行っている非営利団体JCI(Joint Commission International)。これまでに世界50カ国、450の医療施設がJCIの認証を取得している中、タイには2016年3月現在37の施設がこの「JCI認定」を受けている。

　意外なことに、日本では17施設とタイの半分にも満たない。タイの認定施設数は、東南アジアはもとより、韓国(30施設)、中国(33施設)も上回っている。

　これは2002年以降、医療ツーリズムとして打ち出した政府主導の観光客誘致の一つの結果だ。世界に名だたる観光地として、これまでに培ったサービスに加えて、医療施設面を拡充することで、治療のために訪れる患者を世界中から受け入れる。欧米諸国、中東、そして日本や韓国など、JCI認定を受けている施設には、専門通訳もいて患者の不安を軽減している。

　「タイは日本より遅れている？」多くの日本人が抱いている先入観は、現実としては全く間違ったものになっている。逆にJCI認定施設数が示す通り、日本が遅れを取っているものも少なくない。さらには、かかる費用とのバランスを考えれば、タイの方がコストパフォーマンスという点でも優れていると言わざるえないのだ。

　タイの医療事情については、昨年の日本人御曹司による代理母問題や、数々の資格外、無認可治療による事件事故などが報道され、よろしくないイメージを持たれがちだ。しかし、その反面世界基準を満たした医療施設とコストパフォーマンスの良い医療技術で、世界中から治療に訪れている人は多い。

　また、増え続ける日本人在住者や観光客に対して、こうした医療や美容の情報ポータルサイト「ミーラボ」もある。医療施設の情報や、会員になればセカンドオピニオンも受けられるなど、ニュースや施設の情報を発するだけではなく、双方向のサービスを日本語で提供予定とのことなので、今後の展開が期待されている。

記事参考サイト

タイ国内JCI認定施設リスト:
http://www.jointcommissioninternational.org/about-jci/jci-accredited-organizations/？ c=Thailand

ワタシ研究所「Me-Lab.(ミーラボ)」:
http://bangkok-medicallab.com/

【執筆 : そむちゃい吉田】