2016年8月18日、近年観光客が増加するミャンマー最大都市ヤンゴンで、あまり知られていない観光スポットの一つに「バハトゥール・シャー・ザファル廟」がある。シュエダゴン・パゴダから歩いて10分の距離にあるこの霊廟には、ムガル帝国最後の皇帝、バハトゥール・シャー・ザファルが眠っている。
ムガル帝国の王ザファルは82歳の時に、イギリスの東インド会社に反旗を翻した「インド大反乱」の象徴として担ぎ出されたが、1858年に反乱軍が鎮圧され、ムガル帝国が消滅すると、当時既にイギリスの支配下にあったラングーン(現在のヤンゴン)に流刑された。
その後、失意のままザファルはラングーンで亡くなるが、ムガル帝国の象徴として人々の信仰を集めることを恐れたイギリス人によって、その遺体は秘密裡に埋葬された。埋葬場所は長らく分からず、遺体のないまま、ザファルとザファルの妻、孫娘の3つの墓が霊廟に並べられていたが、1991年メモリアルホール建設の際に、地中から偶然ザファルの墓が発見された。現在は霊廟内の地下に、色鮮やかに花が散りばめられたザファルの墓が安置されている。
観光客が必ずと言っていいほど訪れるミャンマー最大の観光スポット「シュエダゴン・パゴダ」の近くに、観光客の姿もなく、ひっそりと佇むムガル帝国最後の皇帝の霊廟。栄華を極め、かつてはインド全域を支配したこの強大な帝国の終焉の地は歴史的に見ても訪れる価値のある観光スポットの一つである。
Tomb of Bahadur Shah Zafar
(8 Zi Wa Ka Rd.,Yangon, Myanmar)
【執筆 : 竹永ケイシロ】
ムガル帝国の王ザファルは82歳の時に、イギリスの東インド会社に反旗を翻した「インド大反乱」の象徴として担ぎ出されたが、1858年に反乱軍が鎮圧され、ムガル帝国が消滅すると、当時既にイギリスの支配下にあったラングーン(現在のヤンゴン)に流刑された。
その後、失意のままザファルはラングーンで亡くなるが、ムガル帝国の象徴として人々の信仰を集めることを恐れたイギリス人によって、その遺体は秘密裡に埋葬された。埋葬場所は長らく分からず、遺体のないまま、ザファルとザファルの妻、孫娘の3つの墓が霊廟に並べられていたが、1991年メモリアルホール建設の際に、地中から偶然ザファルの墓が発見された。現在は霊廟内の地下に、色鮮やかに花が散りばめられたザファルの墓が安置されている。
観光客が必ずと言っていいほど訪れるミャンマー最大の観光スポット「シュエダゴン・パゴダ」の近くに、観光客の姿もなく、ひっそりと佇むムガル帝国最後の皇帝の霊廟。栄華を極め、かつてはインド全域を支配したこの強大な帝国の終焉の地は歴史的に見ても訪れる価値のある観光スポットの一つである。
Tomb of Bahadur Shah Zafar
(8 Zi Wa Ka Rd.,Yangon, Myanmar)
【執筆 : 竹永ケイシロ】