2016年8月19日、JICAカンボジア事務所が発行する「カンボジアだよりNo60」に『「アジア連結」で高まる需要 シハヌークビル港に本格的なソフト面支援』と題する記事が掲載された。
(記事)東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済統合をはじめ、地域の連結性が重視されています。カンボジアでも、人流、物流のインフラ整備が注目されていますが、海水運の中心を担うのが、シハヌークビル港です。
国内唯一の国際深水港であり、世界への窓口となっている港です。 日本は、JICAを通して1990年代末からこの港の復興と発展に協力しています。多目的ターミナルの整備、コンテナバースの整備、隣接する経済特別区の開発、また、物流機能を強化するための調査など、さまざまな側面から、機能的で競争力のある港への成長を支えてきました。その中で、2013年から今年5月末まで実施された「シハヌークビル港コンテナターミナル経営・技術向上プロジェクト」は、これまで援助で整備したハードの機能を、より効率的に活用するために、ソフト面の機能強化を目指したものです。
港の評価は、短時間に、確実に大量の荷物を積み下ろしできるかどうか、で決まる側面があります。そのためにはコンテナヤードのクレ ーンが常に整備され正常に使える状態であることや、離着岸やコンテナの扱いの複雑な「段どり」ができることなどが必要です。ハードが整備されても、こういったソフト面の強化が取り残されていたら、港の競争力にはつながりません。JICAの今回のプロジェクトはこうした荷役の効率化に重点を置いています。 専門家として2年間、同港を運営するシハヌー クビル港湾公社に派遣された池田哲郎チーフアドバイザーは、「港湾公社のローキム・チュン 総裁をはじめ、港湾の競争力を高めることへの 意識は非常に高く、特に自ら人材を育てようと いう意欲は旺盛でした」と話します。
例えば同港の、1時間当たりに積み下ろしできるコンテナ数は、プロジェクト前は18個でしたが、プロジェクト後には25個にまで伸びました。池田さんは「世界の先進的なコンテナターミナルでは40個を超えるものもありますが、途上国が自ら運営しているコンテナターミナルの中では合格点を与えてよいレベルと考えられます」と言います。
カンボジア経済は毎年7%前後の経済成長を遂げており、これからも順調な発展を続けるとみられています。シアヌークビル港をめぐっては、港そのものの機能強化に加え、取扱量を伸ばすメコン川のプノンペン河川港、ベトナムの カイメップ・チーバイ港との連携強化や、国内の生産拠点と港をつなぐ道路・鉄道の陸運インフラの整備などが必要と指摘されています。「より安価で効率的なサービス」の提供を目指し、シアヌークビル港の取り組みは続きます。
【編集 : DL】
(記事)東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済統合をはじめ、地域の連結性が重視されています。カンボジアでも、人流、物流のインフラ整備が注目されていますが、海水運の中心を担うのが、シハヌークビル港です。
国内唯一の国際深水港であり、世界への窓口となっている港です。 日本は、JICAを通して1990年代末からこの港の復興と発展に協力しています。多目的ターミナルの整備、コンテナバースの整備、隣接する経済特別区の開発、また、物流機能を強化するための調査など、さまざまな側面から、機能的で競争力のある港への成長を支えてきました。その中で、2013年から今年5月末まで実施された「シハヌークビル港コンテナターミナル経営・技術向上プロジェクト」は、これまで援助で整備したハードの機能を、より効率的に活用するために、ソフト面の機能強化を目指したものです。
港の評価は、短時間に、確実に大量の荷物を積み下ろしできるかどうか、で決まる側面があります。そのためにはコンテナヤードのクレ ーンが常に整備され正常に使える状態であることや、離着岸やコンテナの扱いの複雑な「段どり」ができることなどが必要です。ハードが整備されても、こういったソフト面の強化が取り残されていたら、港の競争力にはつながりません。JICAの今回のプロジェクトはこうした荷役の効率化に重点を置いています。 専門家として2年間、同港を運営するシハヌー クビル港湾公社に派遣された池田哲郎チーフアドバイザーは、「港湾公社のローキム・チュン 総裁をはじめ、港湾の競争力を高めることへの 意識は非常に高く、特に自ら人材を育てようと いう意欲は旺盛でした」と話します。
例えば同港の、1時間当たりに積み下ろしできるコンテナ数は、プロジェクト前は18個でしたが、プロジェクト後には25個にまで伸びました。池田さんは「世界の先進的なコンテナターミナルでは40個を超えるものもありますが、途上国が自ら運営しているコンテナターミナルの中では合格点を与えてよいレベルと考えられます」と言います。
カンボジア経済は毎年7%前後の経済成長を遂げており、これからも順調な発展を続けるとみられています。シアヌークビル港をめぐっては、港そのものの機能強化に加え、取扱量を伸ばすメコン川のプノンペン河川港、ベトナムの カイメップ・チーバイ港との連携強化や、国内の生産拠点と港をつなぐ道路・鉄道の陸運インフラの整備などが必要と指摘されています。「より安価で効率的なサービス」の提供を目指し、シアヌークビル港の取り組みは続きます。
【編集 : DL】