2017年2月25日、タイの伝統医学(タイ方医学)の一部を行う、タイ式マッサージ店が日本で増え、リラクゼーションとして普及している。
中には、日本で無知な施術者が、タイマッサージのカルサイネイザン、ヌアットカルサイと称して、子宮など生殖器への手による施術を行っている店舗がある。民間療法と伝統医学を間違った解釈でごっちゃにしたケースで、危険度が高く、タイ本国でも首を傾げる専門家が警告を発している。
タイ国文部省登録 タイ式マッサージ科教諭・プッサパータイ伝統医学及びリフレクソロジー研究所代表の藤垣善則さんに話を聞いた。「タイ方医学と民間療法の法的な区分けは、1999年発行のタイ国医療業務に関する法律によって、次のようにタイ方医学を規定しています。第5条(業務分類-1)の中で、タイ方医療、タイ方薬事(サムンプライ)、タイ助産医療、その他委員会の推奨に基づいて大臣が発布するものとあり、手技医療(タイ式マッサージ)は、2001年にコン・タッパラング厚生大臣の発布により上記分類-1つまりタイ方医学の中に入りました。
タイ国内では、上記に当てはまらない療法(トークセン、チネイザン、カルサイネイザン、ヌアットカルサイなど)は、法による規定もなく理論体系もない民間療法(詳細は後述)で、タイ伝統医学ではありません。これらの民間療法は、中には何世紀もの長い年月を経て、人々に認められ理論体系化され、伝統医学になっていくものもあります。
しかし、その過程では効果も安全性も政府その他の公的機関によって正式には認められず、その利用においては施術する側も受ける側も自己責任で行わなければならないのです。
何千年の人類の歴史がその効果や安全性をいわば保障する、現在既に確立されている伝統医学を利用する方が賢明ではないかと考えます。
―民間療法と伝統医学の違いは。―
人類の築いてきた文明の一部として、現在ある世界中の医学を分類してみた時、その1つのカテゴリーである古代文化の医術を更に、
1.非体系的かつ経験的な地域医術(民間療法、民族医学=Folk medicine)
2.多くの人々から認められ体系化されて、地域医術から発展してきた伝統医学(Traditional medicine)と分けて認識することは、今後必要性が増すと考えます。“人々にとって有益かつ安全な医学の選択”という観点からも大事なことです。
地域医術(民間療法)とは、例えば次のようなものをさします。
ジャムゥー(インドネシアの民族医学)
アメリカ先住民の医学(ハーブ使用、足裏を押す療法もあった)
ハワイの民族医学(生薬を使う薬学、ロミロミと呼ばれるマッサージ)
気功(中国起源の民間療法)
整体(日本の主に手技を用いた民間療法)
トークセン(タイ北部の民間療法)
チネイザン(気内臓療法と呼ばれ中国のタオ=道教に伝わる気功療法の一つ。タイ北部の民間療法ではない)
チャプカサイ、カルサイネイザン、ヌアットカルサイ(タイの民間療法)
伝統医学には、例えば次のようなものがあります。
タイ伝統医学(タイ方医療、タイ方薬事(サムンプライ)、タイ助産医療、タイ式マッサージなど)
中国伝統医学
アユルベーダ
ヨガ
ユナニ医学(ギリシア医学を起源とし、アラビア・イスラーム文化圏で発展した伝統医学)
チベット医学(アユルベーダから派生。ギリシャ医学と中国伝統医学からも多くの理論・技術を取り込んでいる)
モンゴル医学(薬物療法の理論は主にチベット医学によるが、その他に独自の食餌療法や外科的治療を行う)
(日本における)漢方医学(中国伝統医学から多くの理論・技術を取り込んでいるため、混同されやすい。中国伝統医学が日本で独自に発展したもの)
シッダ医学(南インド、主にタミル地方に伝わる特有の医学である。インドの中でもシッダ医学は最も古いといわれ、その起源は1万2千年前から6千年前まで遡る。医学を発展させたうちの1人、ダンバントリは北インドのアーユルヴェーダを創設したといわれている。また、ドイツで発祥したホメオパシーもシッダ医学の文献をもとにしてできたといわれている)
韓国伝統医学(中国に源流があるが、その後独自の発展をとげて韓医学と称されている。韓医学はとりわけ動物性生薬(ユウタン=熊胆など)を多用する特徴を有し、伝統医学と西洋医学の2種類の医師が混在している) 」
【編集 : FU】
中には、日本で無知な施術者が、タイマッサージのカルサイネイザン、ヌアットカルサイと称して、子宮など生殖器への手による施術を行っている店舗がある。民間療法と伝統医学を間違った解釈でごっちゃにしたケースで、危険度が高く、タイ本国でも首を傾げる専門家が警告を発している。
タイ国文部省登録 タイ式マッサージ科教諭・プッサパータイ伝統医学及びリフレクソロジー研究所代表の藤垣善則さんに話を聞いた。「タイ方医学と民間療法の法的な区分けは、1999年発行のタイ国医療業務に関する法律によって、次のようにタイ方医学を規定しています。第5条(業務分類-1)の中で、タイ方医療、タイ方薬事(サムンプライ)、タイ助産医療、その他委員会の推奨に基づいて大臣が発布するものとあり、手技医療(タイ式マッサージ)は、2001年にコン・タッパラング厚生大臣の発布により上記分類-1つまりタイ方医学の中に入りました。
タイ国内では、上記に当てはまらない療法(トークセン、チネイザン、カルサイネイザン、ヌアットカルサイなど)は、法による規定もなく理論体系もない民間療法(詳細は後述)で、タイ伝統医学ではありません。これらの民間療法は、中には何世紀もの長い年月を経て、人々に認められ理論体系化され、伝統医学になっていくものもあります。
しかし、その過程では効果も安全性も政府その他の公的機関によって正式には認められず、その利用においては施術する側も受ける側も自己責任で行わなければならないのです。
何千年の人類の歴史がその効果や安全性をいわば保障する、現在既に確立されている伝統医学を利用する方が賢明ではないかと考えます。
―民間療法と伝統医学の違いは。―
人類の築いてきた文明の一部として、現在ある世界中の医学を分類してみた時、その1つのカテゴリーである古代文化の医術を更に、
1.非体系的かつ経験的な地域医術(民間療法、民族医学=Folk medicine)
2.多くの人々から認められ体系化されて、地域医術から発展してきた伝統医学(Traditional medicine)と分けて認識することは、今後必要性が増すと考えます。“人々にとって有益かつ安全な医学の選択”という観点からも大事なことです。
地域医術(民間療法)とは、例えば次のようなものをさします。
ジャムゥー(インドネシアの民族医学)
アメリカ先住民の医学(ハーブ使用、足裏を押す療法もあった)
ハワイの民族医学(生薬を使う薬学、ロミロミと呼ばれるマッサージ)
気功(中国起源の民間療法)
整体(日本の主に手技を用いた民間療法)
トークセン(タイ北部の民間療法)
チネイザン(気内臓療法と呼ばれ中国のタオ=道教に伝わる気功療法の一つ。タイ北部の民間療法ではない)
チャプカサイ、カルサイネイザン、ヌアットカルサイ(タイの民間療法)
伝統医学には、例えば次のようなものがあります。
タイ伝統医学(タイ方医療、タイ方薬事(サムンプライ)、タイ助産医療、タイ式マッサージなど)
中国伝統医学
アユルベーダ
ヨガ
ユナニ医学(ギリシア医学を起源とし、アラビア・イスラーム文化圏で発展した伝統医学)
チベット医学(アユルベーダから派生。ギリシャ医学と中国伝統医学からも多くの理論・技術を取り込んでいる)
モンゴル医学(薬物療法の理論は主にチベット医学によるが、その他に独自の食餌療法や外科的治療を行う)
(日本における)漢方医学(中国伝統医学から多くの理論・技術を取り込んでいるため、混同されやすい。中国伝統医学が日本で独自に発展したもの)
シッダ医学(南インド、主にタミル地方に伝わる特有の医学である。インドの中でもシッダ医学は最も古いといわれ、その起源は1万2千年前から6千年前まで遡る。医学を発展させたうちの1人、ダンバントリは北インドのアーユルヴェーダを創設したといわれている。また、ドイツで発祥したホメオパシーもシッダ医学の文献をもとにしてできたといわれている)
韓国伝統医学(中国に源流があるが、その後独自の発展をとげて韓医学と称されている。韓医学はとりわけ動物性生薬(ユウタン=熊胆など)を多用する特徴を有し、伝統医学と西洋医学の2種類の医師が混在している) 」
【編集 : FU】