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Global Women Impactors~アジア女性社会起業家の「伴走者」を募る~(3)

Global News Asia 2017年4月17日 11時0分

 2017年4月17日、都会の弁護士から、農村を飛び回る社会起業家になった女性がいる。インドネシアのヘリアンティ・ヒルマンさん。米やココナッツオイル、ココナッツクッキーや香辛料などの農産物加工商品を開発・販売するJAVARAの創業者だ。先月、「Global Women Impactors」(※1)の発足イベントで、「インドネシア人なのに、自分の国で昔7,000種類以上の香辛料が生産されていたことを知らなかった。こうした生産が廃れた農産物と豊かな食文化を甦らせて、世に広めたいと思った」と起業のきっかけを語った。

 2008年に創業されたJAVARAは、インドネシアの多種多様な農産物の再発見と再活性化をモットーに、生産から販売に至るまでの一連の流れを総合的にプロデュースして、農産物の付加価値を作り出している。その活動は、インドネシアの島々の農村地域を訪れ、原産地にも関わらず生産が途絶えた農産物を調査した上で、地域の小規模農家に紹介するところから始まる。農産物の良さを再発見した農家が、生産する際には、生産や加工技術の支援をする。例えば、収穫後2-3日で腐ってしまう野菜の廃棄が課題となっていた農家には、野菜を麺に練りこむ加工技術を指導。消費期限1年以上の野菜麺を開発した。

 商品の販売促進では、品質保証の提供やデザインや広告宣伝方法の提案をしている。主力商品である古代米のパッケージには、原産地や栄養価を表示、かつ生産者の想いを多くの人に届けられるように生産秘話を盛り込んだデザインを施した。2008年、10人の農家で作った農産物商品8点の訪問販売から始めた事業が着実に実を結び、2016年には、契約農家数52,000人、商品数は700種類以上、アメリカやスイスなど20カ国に商品を輸出するまでになった。

 事業規模の小さな社会起業が多い東南アジアでは、ヘリアンティさんのように大規模に事業を展開する女性社会起業家は珍しい。既に事業規模は大きいが、「高品質な農産物や生産背景に対する関心の高い日本の市場にインドネシアの農産物を広めたい」という想いから、「Global Women Impactors」の事業能力強化支援プログラムを希望した。「インドネシアでは、まだ高品質な農産物に対する意識が低い。そのため、輸出を中心に事業を展開してきたが、輸出ブランドとして知名度が上がったたことで、インドネシア国内でも売上げが増加した」とヘリアンティさん。「日本で市場を広げたら、必ずインドネシア人消費者も自国農産物を見直し、高品質な農産物に対する意識の底上げになるはず」と、続けた。

 既に商品は日本でも試験的に販売されているが、日本人の口にあう商品や日本人が好むパッケージデザインを学んで、日本での販路を拡大していきたい。「Global Women Impactors」では、ヘリアンティさんとともに、インドネシアの小規模農家と日本の消費者をつなげてくれる「伴走者」を求めている。
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※1: 「Global Women Impactors」は、日本財団が2017年度より支援するアジアの女性社会起業家への事業能力強化支援を提供するメンターシッププログラム。メンターの応募(2017年4月1日~5月7日)はこちらのURLから↓
https://goo.gl/forms/EHp2VJlw5KzPeteV2
【執筆 : 日本財団 田中麻里】

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