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「企業における女性のための人材育成に関する視察団」ーアジア11カ国から16名の女性が来日

Global News Asia 2017年4月13日 9時0分

 2017年4月2日、アジア11カ国から産官学各分野で女性のキャリア育成を担当する16名の女性専門家が来日し、アジア生産性機構(APO)の主催する「企業における女性のための人材育成に関する視察団」プロジェクトに参加した。

 高齢化による労働力人口の減少が懸念されるアジアの国々では、更なる産業発展を遂げるために、人的資源の質と量の両側面を確保するため、女性の社会進出が鍵を握っていると言われている。近代化が進む中、様々な産業界において女性の社会進出が増加傾向にあるものの、未だ殆どの国では文化的背景や政策整備の欠如のため男女平等な雇用環境が整っておらず、女性の労働市場参入は追いついていない。日本では安倍政権が「すべての女性が輝く社会づくり」を推進し、それに基づいた様々な政策に準じて多くの企業・団体が様々な取り組みを行い、その成果は現れつつある。

 女性の人材育成をテーマにした視察研修は、生産性向上を通してアジア太平洋地域の社会経済の発展に寄与することを目的に活動している、APOが日本政府の支援を受けて開催したもの。参加者はAPO加盟国のカンボジア・ラオスといった新・新興国やインド、タイ、マレーシアなどの新興国からの10カ国に加え、非加盟国であるミャンマーからも集まった。

 プロジェクト初日は、石倉洋子・一橋大学名誉教授をはじめ、経団連の大山瑞江氏、(公財)21世紀職業財団 業務執行理事兼事務局長である高松和子氏、法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科の藤村博之教授が女性のための人材育成について多角的な見地から講演した。参加者は、女性の社会進出における日本政府の展望・方針や、政策を基軸に、各企業の取り組みを促す経団連の役割、日本の女性の社会進出の現状・課題など、日本の先進的な取り組みを紹介する講演に真剣に聞き入った。

 研修2日目以降は、女性活躍に取り組む企業のベストプラクティスを学ぶため、千葉銀行、ANAグループ労働組合連合会、ダイキン工業株式会社など、関東・関西地域の合計9企業・団体・教育機関を訪問した。各訪問先では、女性に限らず多用な人材の活躍を促すダイバーシティ推進の取り組み、管理職層の意識改革セミナーなど、具体的な実施例の説明を受け、仕事・育児の両立を可能にさせる労働環境の推進について学んだ。参加者は、アベノミクスの掲げる「すべての女性が輝く社会づくり」の実現のために各企業が行動し、経済社会構造の変革に繋がっていることに、感銘を受けた様子だった。

 プロジェクト最終日には、各参加者が本視察から学んだことを自国の女性人材育成推進のために生かす中・長期的プランを発表し、プロジェクトは閉講した。参加者は半年後に、各自のプラン実行についてAPOに報告することになっている。参加者が五日間の研修で学んだことが、今後のアジアの女性たちの社会進出や、エンパワーメントにつながることが切に期待されよう。

(注)
アジア生産性機構(APO)は、生産性向上を通してアジア太平洋地域の持続可能な社会経済の発展に寄与するため、1961年の政府間協定の締結により設立された国際機関。現在20の国と地域が加盟しており、各国生産性本部の強化および、中小企業振興・地域発展の促進、イノベーション主導の生産性向上、緑の生産性の普及の3点を戦略的重点分野として事業を展開している。
【編集 : YF】

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