2017年7月9日、北朝鮮は4日に初成功したと発表したICBM(大陸間弾道ミサイル)を含め、今年11回のミサイルを発射している(『読売新聞』より1回で複数発のミサイルを発射することがあるため打ち上げ日数でカウント)。2016年は17回発射(防衛省資料)しているので昨年と同じくらいのペースで発射を繰り返していることになる(冬は発射が減少する傾向があるため春から秋にかけて集中する)。
昨年のミサイルは、2月の1発を除きすべて日本海へ落下している。今年も同様だ。「もし北朝鮮のミサイルが日本本土へ打ち込まれたらどう行動するべきか?」などが情報番組で取り上げられるなど話題になっているもあまり取り上げられないのが、これらのミサイルの残骸による海洋汚染の懸念である。どう考えても環境に配慮したとは思えない鉄の塊や悪質な塗装、残った燃料などが海を汚染しているではないかと心配している人も少なくないはずだ。
記者は、1997年1月に発生した「ナホトカ号重油流出事故」を思い出す。使っている燃料も残量も異なるため比較はできないが、日本海の環境を多少なりとも破壊していることは間違いないだろう。
北朝鮮が発射するミサイルが環境をどの程度破壊するのか防衛省関係者は、厳密な調査をしていないので明確には分からないと前置きした上で、「本来、ミサイル実験は、燃料を使い切ってから落下させるはずなのですが、北朝鮮がそこまでの制御、配慮をしているとは考えにくく、燃料が漏れ出し水産資源へ悪影響を与えている可能性は否定できません」と話す。
1993年から始まった北朝鮮によるミサイル発射実験は、合計65回を超える。前述したが、これは発射日でのカウントであり、2006年7月のように1日に7発を発射したこともあるので、北朝鮮が日本海へ沈めたミサイルは100発ほどとなっている。
東京の築地市場の問題も大事であるが、北朝鮮のミサイル発射が水産資源へどのような影響を与えるのかという観点でもっと取り上げてもいいのではないだろうか。
【執筆 : 中野 鷹】
昨年のミサイルは、2月の1発を除きすべて日本海へ落下している。今年も同様だ。「もし北朝鮮のミサイルが日本本土へ打ち込まれたらどう行動するべきか?」などが情報番組で取り上げられるなど話題になっているもあまり取り上げられないのが、これらのミサイルの残骸による海洋汚染の懸念である。どう考えても環境に配慮したとは思えない鉄の塊や悪質な塗装、残った燃料などが海を汚染しているではないかと心配している人も少なくないはずだ。
記者は、1997年1月に発生した「ナホトカ号重油流出事故」を思い出す。使っている燃料も残量も異なるため比較はできないが、日本海の環境を多少なりとも破壊していることは間違いないだろう。
北朝鮮が発射するミサイルが環境をどの程度破壊するのか防衛省関係者は、厳密な調査をしていないので明確には分からないと前置きした上で、「本来、ミサイル実験は、燃料を使い切ってから落下させるはずなのですが、北朝鮮がそこまでの制御、配慮をしているとは考えにくく、燃料が漏れ出し水産資源へ悪影響を与えている可能性は否定できません」と話す。
1993年から始まった北朝鮮によるミサイル発射実験は、合計65回を超える。前述したが、これは発射日でのカウントであり、2006年7月のように1日に7発を発射したこともあるので、北朝鮮が日本海へ沈めたミサイルは100発ほどとなっている。
東京の築地市場の問題も大事であるが、北朝鮮のミサイル発射が水産資源へどのような影響を与えるのかという観点でもっと取り上げてもいいのではないだろうか。
【執筆 : 中野 鷹】