2017年7月17日、中国のB to Cサイト「中関村在線」が「まるで90年代の中国のゲームセンターではないか? 北朝鮮・平壌のゲームセンターへ潜入」という記事を5月15日に公開して話題になった。
しかし、掲載されている写真の多くは、2008年にヨーロッパのゲーム愛好家が北朝鮮のゲームセンターとして紹介したブログから転用されたものだった。出典明記がないため無許可で掲載していると思われる。
しかも、前半と後半で明らかに時期が異なるゲームセンターが混在しており、整合性が乏しい。
記事を掲載した中関村在線は、1999年オープンの日本の「価格ドットコム」のような比較サイト大手で、購入時の参考にするようユーザーコメントも多く入るのも特徴だ。スマートフォンやデジタルカメラ、パソコン、テレビなどのIT、デジタル家電から自動車までと幅広く扱っている。
最近の訪朝者からの写真などから、今、さすがに外国人が案内されるゲームセンターにこの記事の前半にあるような機械はない。いずれも記者が小学校低学年ごろに遊んだ記憶がある7、80年代の日本の業務用ゲーム機だ。
出典を明記していないところから狙って書いたと思われるが、その狙い通り記事にはコメントとして、
「まさに90年代の中国だ」
「北朝鮮の生活水準が分かる。我々は先へ行ってしまったようだ」
「いやむしろ80年代だろう」
「発展途上だね」
「北朝鮮は核開発に一直線で、国も鎖国している。これじゃ発展しないわけだ」
中には、
「でも写っている北朝鮮人たちは幸せそうだ。我々は忙しくなりすぎた」
などもあるが、多くが比較して中国の発展ぶりを実感したという優越感を匂わせるようなコメントだ。
中関村在線は、民間企業なので、中国政府の意向をどこまで反映している分からないが、中国にとって北朝鮮は緩衝地帯であり、中国政府は、北朝鮮を中国人が優越感と発展を感じさせる比較対象として内政に巧みに利用している。
北朝鮮へ観光に行く一般的な中国人(漢族)は、訪朝理由として、貧しかった中国を思い出したいからや中国がどのくらい発展したかを感じるため、文化大革命を追体験したいからなどを理由に挙げる人も少なくない。
そのため、中国が北朝鮮を影で支援し続ける理由の1つは、内政に利用するためであり、隣にこんな貧しい国があるんだと中国人のガス抜きに活用しているからだとも言われる。
このサイトからもそのような意図をプンプン感じさせるのは記者の勘ぐり過ぎであろうか。
【執筆 : 中野 鷹】
しかし、掲載されている写真の多くは、2008年にヨーロッパのゲーム愛好家が北朝鮮のゲームセンターとして紹介したブログから転用されたものだった。出典明記がないため無許可で掲載していると思われる。
しかも、前半と後半で明らかに時期が異なるゲームセンターが混在しており、整合性が乏しい。
記事を掲載した中関村在線は、1999年オープンの日本の「価格ドットコム」のような比較サイト大手で、購入時の参考にするようユーザーコメントも多く入るのも特徴だ。スマートフォンやデジタルカメラ、パソコン、テレビなどのIT、デジタル家電から自動車までと幅広く扱っている。
最近の訪朝者からの写真などから、今、さすがに外国人が案内されるゲームセンターにこの記事の前半にあるような機械はない。いずれも記者が小学校低学年ごろに遊んだ記憶がある7、80年代の日本の業務用ゲーム機だ。
出典を明記していないところから狙って書いたと思われるが、その狙い通り記事にはコメントとして、
「まさに90年代の中国だ」
「北朝鮮の生活水準が分かる。我々は先へ行ってしまったようだ」
「いやむしろ80年代だろう」
「発展途上だね」
「北朝鮮は核開発に一直線で、国も鎖国している。これじゃ発展しないわけだ」
中には、
「でも写っている北朝鮮人たちは幸せそうだ。我々は忙しくなりすぎた」
などもあるが、多くが比較して中国の発展ぶりを実感したという優越感を匂わせるようなコメントだ。
中関村在線は、民間企業なので、中国政府の意向をどこまで反映している分からないが、中国にとって北朝鮮は緩衝地帯であり、中国政府は、北朝鮮を中国人が優越感と発展を感じさせる比較対象として内政に巧みに利用している。
北朝鮮へ観光に行く一般的な中国人(漢族)は、訪朝理由として、貧しかった中国を思い出したいからや中国がどのくらい発展したかを感じるため、文化大革命を追体験したいからなどを理由に挙げる人も少なくない。
そのため、中国が北朝鮮を影で支援し続ける理由の1つは、内政に利用するためであり、隣にこんな貧しい国があるんだと中国人のガス抜きに活用しているからだとも言われる。
このサイトからもそのような意図をプンプン感じさせるのは記者の勘ぐり過ぎであろうか。
【執筆 : 中野 鷹】