2017年7月19日、北朝鮮に関する真偽その3として、北朝鮮観光の現実についてお伝えしようと思う。
・北朝鮮を観光するのは中国人だけだ。
これは半分くらい正しい。中国の北朝鮮旅行の手配代理店に取材したところ、昨年、北朝鮮を訪れた中国人は約2万5000人とのことだ。しかも、この人数に昨年7月から正式に解禁されたビザなし訪朝者が加算されると総数では2~3倍になるとといい、大きく見積もって7万5000人くらいの中国人が、北朝鮮を訪れていると見られる。この人数は同国を訪れる全外国人の大半を占める。
死亡したアメリカ人大学生オットー・ワームビア氏の事件で注目されたアメリカ人や欧米人はどうかというと、昨年は約8000人ほどの欧米人が訪朝しており、10年前の10倍強に増えている。日本人観光客はこの10数年横ばいだが、欧米人観光客は激増しており、日本と欧米では北朝鮮への見方、認識が異なることが分かる。
・訪朝する日本人はマスコミ関係者だけだ。
以前の内容と重なるが、昨年訪朝した日本人は約100人。これは民間の観光客の人数で、在日朝鮮、韓国人は含まれていない。この100人とは別に北朝鮮での取材許可を得たマスコミ関係者が数十人、東京都議会議員や県議会議員など地方議員も数十人単位、加えてさらに多いのが、友好団体らの親善訪問で、1団体50人での大規模訪朝などもあるので200人はいるのではないだろうか。そうすると北朝鮮を訪れる日本人は年間300人から400人はいることになる。マスコミ関係者も少なくはないが、全体から見ると多いとは言えない。
・北朝鮮へ行くのは最低でも30万円かかる
自由旅行が認められていない北朝鮮は、必ず手配代理店を通して手続きをする必要がある。代理店は、日本国内や中国、香港、イギリス、休戦中であるはずのアメリカなどにもあり、中国の代理店へ依頼すれば、3泊4日往復列車で13万円なんてツアーもある(日本から中国までの渡航費は別)。今回、ワームビア氏が参加したような欧米人向けのグループツアーなら10万円を切るコースもある。欧米人向けツアーなので、ガイドは英語のみになるが、一部コースは、日本人も参加できる。
中国の代理店といっても日本人向けなら対応は最初から最後まで日本語だし、旅費も日本円で日本の銀行へ振り込みokや、出発当日に日本円手渡しでもokという代理店もあるくらいだ。
強調しておくが、北朝鮮は渡航を推奨するべき国ではない。しかし、だからといって明らかに事実に反する嘘をついてもいいとは、ならない。
【執筆 : 中野 鷹】
・北朝鮮を観光するのは中国人だけだ。
これは半分くらい正しい。中国の北朝鮮旅行の手配代理店に取材したところ、昨年、北朝鮮を訪れた中国人は約2万5000人とのことだ。しかも、この人数に昨年7月から正式に解禁されたビザなし訪朝者が加算されると総数では2~3倍になるとといい、大きく見積もって7万5000人くらいの中国人が、北朝鮮を訪れていると見られる。この人数は同国を訪れる全外国人の大半を占める。
死亡したアメリカ人大学生オットー・ワームビア氏の事件で注目されたアメリカ人や欧米人はどうかというと、昨年は約8000人ほどの欧米人が訪朝しており、10年前の10倍強に増えている。日本人観光客はこの10数年横ばいだが、欧米人観光客は激増しており、日本と欧米では北朝鮮への見方、認識が異なることが分かる。
・訪朝する日本人はマスコミ関係者だけだ。
以前の内容と重なるが、昨年訪朝した日本人は約100人。これは民間の観光客の人数で、在日朝鮮、韓国人は含まれていない。この100人とは別に北朝鮮での取材許可を得たマスコミ関係者が数十人、東京都議会議員や県議会議員など地方議員も数十人単位、加えてさらに多いのが、友好団体らの親善訪問で、1団体50人での大規模訪朝などもあるので200人はいるのではないだろうか。そうすると北朝鮮を訪れる日本人は年間300人から400人はいることになる。マスコミ関係者も少なくはないが、全体から見ると多いとは言えない。
・北朝鮮へ行くのは最低でも30万円かかる
自由旅行が認められていない北朝鮮は、必ず手配代理店を通して手続きをする必要がある。代理店は、日本国内や中国、香港、イギリス、休戦中であるはずのアメリカなどにもあり、中国の代理店へ依頼すれば、3泊4日往復列車で13万円なんてツアーもある(日本から中国までの渡航費は別)。今回、ワームビア氏が参加したような欧米人向けのグループツアーなら10万円を切るコースもある。欧米人向けツアーなので、ガイドは英語のみになるが、一部コースは、日本人も参加できる。
中国の代理店といっても日本人向けなら対応は最初から最後まで日本語だし、旅費も日本円で日本の銀行へ振り込みokや、出発当日に日本円手渡しでもokという代理店もあるくらいだ。
強調しておくが、北朝鮮は渡航を推奨するべき国ではない。しかし、だからといって明らかに事実に反する嘘をついてもいいとは、ならない。
【執筆 : 中野 鷹】