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WTO事務局長は、全世界の投票で決まったことなのに

Global News Asia 2020年11月9日 7時0分

 2020年11月、WTO(世界貿易機関: World Trade Organization )の事務局長に、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相が選出される見通しになった。WTO加盟国・地域164カ国のうち、日本や欧州連合(EU)などを含む104の国と地域が、世界銀行で副総裁を務めるなどの実績もあり国際的な知名度も高いヌゴジ氏を支持している。

 残念ながら、米国は、中国とナイジェリアの強い結びつきを懸念して、韓国の候補者支持に渋々回った。そういう事情を知らない(気が付かないふり)韓国大統領府は、世界で1強のアメリカが自国の味方についたことを誇っている。

 この事務局長選に関しては、文在寅大統領が積極的なロビー活動を行うなど、韓国がとても力を入れていることが知られている。カナダやマレーシアなどの各国首脳に支持を呼びかけるなど、1日3カ国の首脳と電話会談して要請している。だが、それはうまくはいかなかった。

 その反動からか、日本政府が昨年7月に韓国の輸出管理の厳罰化を行い、ネガティブキャンペーンを行っていると、韓国メディアは伝えている。日本の外務省が欧州や中南米、アジア諸国に韓国候補を支持しないように要請したとしている。その表現として、「韓国の事務局長ではWTOの公平性が疑わしい」や「日本の要求を聞き入れる見返りに各国に経済支援を約束した」とか言及している…誰が、どこで、それを聞いたのだろうか。

 そもそも、選挙は公平に行われる。その公平の中には、自国にとってのメリットが優先されてしかるべきことだ。その結果、ナイジェリアが選ばれたとしたら、何の問題もない。

 日本が韓国を支持しなかったのも、日本による輸出管理厳格化を「不当」とし、WTOに現在提訴しているからであって、その理由は明確だ。仮に韓国候補が当選して、紛争解決手続きに不公平が生じたらと言うことを考えると、日本は韓国を選ばない。当然のことだ。

 文大統領の外交手腕。支持してくれない国の批判をマスコミに流すことは、とても大人のすることではない。

 WTOでは、過去2人の候補が抽選で拮抗した結果を出した年は、任期を半分づつやらせたことがある。それでは統一性や公平性は保てない。2人の候補がいても、選ばれるのは、一人しかいない。それが選挙だ。
【編集 : fa】

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