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【タイ】新路線で変わるバンコクの都市交通

Global News Asia 2021年8月21日 6時0分

 2021年8月、タイ国鉄レッドラインが開通して、ドンムアン国際空港へのアクセスが格段に便利になったバンコクの都市交通。将来的にはさらに5つの新路線と6つの路線延伸が計画されており、一部は来年にも開通予定だ。すべての路線が開通するまでには、まだ10〜20年以上かかると思われるが、現在建設中の路線が開通するだけでも、バンコクの移動範囲は大きく変わるだろう。

 現在進められている3つの新路線には、円借款などは行われていない。しかし、オレンジラインのトンネル掘削工事には、川崎重工のシールド掘進機が導入されている。バンコクと周辺で、計画または建設中の路線は以下の通り。

建設中
 イエローライン ラップラオ・サムロン間、モノレール形式で2022年7月予定。
 ピンクライン ケーライ・ミンブリー間、モノレール形式で2022年末予定。
 オレンジライン タイ文化センター~ミンブリー間(10駅地下鉄、7駅高架)2024年中予定。

計画中路線
 グレーライン トンロー・ラムイントラ間
 ブラウンライン ノンタブリー・ラムサリー間

 また、延伸計画として
 ダークレッドライン
 北延伸区間ランシットからタマサート大学間
 南延伸区間へバンスーからマハチャイ間。
 ライトレッドライン
 西延伸区間タリンチャンからサーラーヤー。
 東延伸区間バンスーからフアマーク。
 ライトグリーンライン、ケーハからバンプー間。
 また支線として、バンナーからスワンナプーム空港。
 ダークグリーンライン、バンワーからタリンチャン間。
 パープルライン、南延伸区間タオプーンからクルナイ間。

 エアポートリンク、北はドンムアン空港へ。南はラヨーン県ウタパオ空港まで延伸。現在までに土地の収容が完了している。また、現行路線の運行管理がタイ国鉄からCPグループへ今年中に移管予定。

 最後に、ラオス中国で建設されている高速鉄道へ連結されるという路線については、バンコクとナコンラチャシマー間で工事が進めれているが、開通後の運賃が1,000バーツ以上になりそうということと、世界遺産アユタヤ遺跡群内の路線策定にも難航しているなど、開通への目処もなかなか立たない状況。タイ人の関心もすでに失われている状況にある。そして、日本が調査を行ったチェンマイ線については、採算が合わないとの結論で保留されたままになっている。

 中国からの一路一体構想を絡めた高速鉄道建設は、東北部ノンカーイからバンコクやラヨーン県に対してタイ政府は、資金調達方法や割高な融資金利、さらに建設方法などを巡って慎重な姿勢で取り組んでいる。そのため、ナコンラチャシマーまでしか合意に至っていない。

 以上の計画されている鉄道は、全線が開通には10年以上を要するだろう。しかし、バンコクの移動は遥かに楽でスムーズなものになるだろう。
【編集 : KK】

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