2014年8月1日、ハノイを訪れている岸田外相は、ベトナムのミン副首相兼外相と会談した。南シナ海で中国と領有権問題を抱えるベトナムの要請を受け、日本が中古の漁業監視船など6隻を年内に無償援助することを決めた。ベトナムは海上警察の巡視船に改造して中国船対策に活用したい考えだ。
中国がベトナムとの領有権争いを激化させている南シナ海は、緊迫した情勢が続いている。同海域に近い中国海南島で操業する漁船は、一見、ボロボロの老朽化した船が多いが、最新の衛星ナビゲーションシステムを搭載している。ベトナムの巡視船に見つかってしまった場合は、中国の海洋監視船にダイレクトに連絡し、救援(攻撃)を求めることが出来る。また、普通の漁船よりも大型のエンジンを積み、高速で海上移動ができる漁船もあると言う。
こうしたバックボーンを背景に違法操業を繰り返し収益を上げているのが、海南島の漁業会社だ。衛星ナビゲーションシステムの設置費用の90%は、政府が負担している。汚染の酷い中国沿岸部は、水産資源が枯渇しつつ、遠い漁場まで行かなければ魚が獲れない事情もある。
また、中国の海洋監視船が、ベトナムの漁船を追い払おうとする行為や衝突させ沈没させる攻撃もあり、常識を逸脱した状況に、ベトナムでの反中感情は根強い。
(8月2日以下を追加)関係者の話によると、日本が巡視船への転用を前提として、他国に中古船を供与するのは初めて。6隻の内訳は、中古漁業監視船2隻。中古マグロ漁船4隻。500トンクラス以上。装備品などと合わせて時価は約5億円相当になる。今回のベトナムへの支援について、中国外交部からの公式な見解は出ていない。
【編集 : 安麻比呂】
中国がベトナムとの領有権争いを激化させている南シナ海は、緊迫した情勢が続いている。同海域に近い中国海南島で操業する漁船は、一見、ボロボロの老朽化した船が多いが、最新の衛星ナビゲーションシステムを搭載している。ベトナムの巡視船に見つかってしまった場合は、中国の海洋監視船にダイレクトに連絡し、救援(攻撃)を求めることが出来る。また、普通の漁船よりも大型のエンジンを積み、高速で海上移動ができる漁船もあると言う。
こうしたバックボーンを背景に違法操業を繰り返し収益を上げているのが、海南島の漁業会社だ。衛星ナビゲーションシステムの設置費用の90%は、政府が負担している。汚染の酷い中国沿岸部は、水産資源が枯渇しつつ、遠い漁場まで行かなければ魚が獲れない事情もある。
また、中国の海洋監視船が、ベトナムの漁船を追い払おうとする行為や衝突させ沈没させる攻撃もあり、常識を逸脱した状況に、ベトナムでの反中感情は根強い。
(8月2日以下を追加)関係者の話によると、日本が巡視船への転用を前提として、他国に中古船を供与するのは初めて。6隻の内訳は、中古漁業監視船2隻。中古マグロ漁船4隻。500トンクラス以上。装備品などと合わせて時価は約5億円相当になる。今回のベトナムへの支援について、中国外交部からの公式な見解は出ていない。
【編集 : 安麻比呂】