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【コラム】「売血」を思い出さないだろうか 韓国

Global News Asia 2021年10月30日 6時0分

 戦後のまだ貧しかった頃、いやそれ以前でも、人間は売るものがないと「血液」まで売っていた時代がある。売る人間だとて、栄養状態はよくない。今のように血液検査のデーターが完ぺきではなく、感染症の因子がある人も売っていた。また、毎日のようにあちこちで売るから、貧血どころか、血がなくなって亡くなる人もいた。いわゆる「売血」だ。
輸血を必要としている人に、感染症の因子がある血液を輸血すると、他の余病を起こして死んでしまうことも起こった。

 それが、日本の献血制度の根幹にあって、血液成分を短時間で調査し、薬などを飲んでいないか(ある程度今でも自己申告だが)確認し、体重や回数の制限などを設けて、健康的に、金銭の介在しない「善意の献血」制度ができた。もちろん、乳酸菌飲料やアンパン、歯磨き粉など地方によってもらえたりはするのだが。

 さて。韓国もまた、「売血」は、ある種、今でも存在する。自分の大切な血を「ただ」で提供しないという国民性…。
さらにコロナ禍で、献血の件数が激減している。
そこで、大韓赤十字社が提案しているのが、献血をすることによって、交通違反点数控除はできないだろうかと、いうことだ。
献血証明書を提出すれば、交通違反点数10点軽減。年間4回までの制限性にして、最大40点引きまで認める。

 もちろん、韓国の国民性であろうと、献血を管轄する保健福祉部と警察庁は難色を示している。ちゃんとモラルはあるようだ。

 交通違反を行う人間は、事故を起こしやすい。そして反省も足りないし、人の命を失わせるかもしれないという安全性にも欠けている。献血をしたために40点復活させて、大量出血を起こすような人身事故を起こした場合、また自分の血で償うのか。

 どのくらい献血数が減っているかというと、2019年10月と、2021年10月13日現在で、7%減だ。そんな交通犯罪者を野放しにしてまでしか、献血の重要性を啓発できないとしたら、韓国は「やはりだめな国」の烙印がもっともっと深く押される。
【編集 : fa】

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