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【コラム】総書記はベストドレッサー 北朝鮮

Global News Asia 2021年12月29日 7時0分

 2021年1月、北朝鮮の金正恩総書記が、軍事パレードの際に、本革のトレンチコートを着て登場した。たまに妹様しか見かけない時もあって心配だし、影武者が沢山いるかのような誤解が生じるくらい体格も髪型も違う場合もある。しかし、体格や髪型が違うということは、日本にも体重を短期間で増減できるカメレオン俳優がいるので、総書記と言う立場なら簡単にできることなのかもしれない。

 そして、その些細な変化に国民がすぐに気が付くほど、マスコミは総書記の写真を報道する。

 そんな一連の報道の中で、冒頭のトレンチコートも、北朝鮮国民の中では垂涎の的なのだろう。しかし、悲しいかな、中国や韓国なら、中1日あればフェイクも作れるのだが、北朝鮮の物資不足の中では、ある程度の期間を置かないと難しい。

 そして、2021年再びの冬。まず中国から本革のレザーコート(約17000円)が出回る。北朝鮮でも選ばれた人間である富裕層が購入。しかし、その次くらいの市民は買えない。なので、合成皮革のコート(約8000円)が輸入され、その型紙をパクった国内生産が可能になり、市場に出回った。トレンチコート故か、男性だけでなく、女性も着るほど人気が爆発した。

 北朝鮮の平均給与は、4000ウォン(400円)。木の根を食べているとも言われる国民層は永遠に買うことができない。

 公務員(軍隊や警察官)とて、懐事情は似たようなもの。「国家の最高指導者のファッションを真似るとは不敬罪だ!」と取り締まりを強化している。なぜなら…没収したコートは、自分が着る、もしくは闇ルートで再び市場に出回らせるからだ。

 総書記のファッションが、巡り巡って、警察官の懐を潤す。やはり、ただ者ではない経済循環方法を持っている偉い人だ。

【編集 : fa】

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