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【タイ】2011年大洪水に迫る被害か タイ各地で洪水

Global News Asia 2022年10月14日 13時45分

 2022年10月14日、先週の台風16号による大雨による増水で、タイ各地から洪水被害が報道されている。場所によっては、2011年の大洪水に匹敵する被害、もしくはそれ以上だとタイメディアは伝えている。

 フィリピンの東海上で9月23日に発生した台風16号(ノルー)は、ベトナムに上陸後ラオスからタイ北部へ進入したが、その頃には熱帯低気圧になっていた。しかし、そこでもたらされた大雨はチェンマイなど北部などを中心に各地に大きな洪水被害をもたらしていた。その北部で降った雨がチャオプラヤー川を下って、アユタヤやバンコクに到達しつつある。

 タイ中部アユタヤからバンコクにかけての浸水は、現在がピークと見られているものの、王宮広場近くやチャオプラヤー川沿いでは、大潮などと重なった際に、周辺も浸水する状況になっている。しかし、今後は徐々に水位も下がると予想されている。また、バンコク都心スクンビット通り周辺でも連日、断続的に道路が冠水しているため、在住日本人の多くが生活に支障をきたしている。

 また、ラオスとカンボジアに国境を接する東北部のウボンラチャタニーでは、ムーン川が増水したため一部では家屋の屋根に届く浸水被害が起きているほか、同じ東北部のマハーサラカムなどからも洪水による被害が報告されている。

 世界的に報道された2011年の大洪水の際には、アユタヤの工業団地で多くの日系企業を含む工場が床上浸水の被害に遭った。その後、周囲に防護壁が設けられるなどの対策も施されていたため、今回工場などは大きな被害は受けていない。しかし、住宅や田畑では2メートルを超える浸水に見舞われている。被災した各地へは、軍や民間などから救援と支援物資が送られている。

 一部では2011年を凌ぐ被害だという今回の洪水被害。しかし、現地住民らは大変な状況ながらも水遊びなどで楽しんでいる人も少なくない。またアユタヤの川沿いの食堂は、浸水したまま営業を続けており、わざわざ市外から食べに来る客もいる。SNSなどには、その状況で楽しんでしまえという投稿も少なくない。いつでもどこでも楽しいことを考えるタイ人気質の一面も垣間見ることができる。
【編集 : KK】

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