2022年11月16日、工藤将亮監督・最新作『遠いところ』が、第53回インド国際映画祭-IFFI ゴア(53nd International Film Festival Of India, Goa)で、上映することが決まった。日本国内では、2023年に公開される予定。
『遠いところ』は、工藤将亮(くどうまさあき)監督の長編3作目となる沖縄の若年層を描いた実話に基づいた物語。沖縄の子どもの困窮した状況、DV、シングルマザーの様子を描いたルポルタージュを工藤監督が、自身の生い立ちに重ね合わせたことから企画が開始された。独自で沖縄を取材し、繁華街に集まる若者から生活困窮者の支援団体まで徹底した取材を重ね、全編沖縄で撮影を敢行し、2022年に完成した。
工藤将亮監督は、「近年沖縄では、シングルマザーや若年母子などの貧困が深刻化していて、そうした貧困層の少女たちを題材にしたルポルタージュが多くある。それらの作品では少女たちが家族や恋人たちの暴力に晒され、その暴力から逃げ、自分たちの居場所を作りあげていく姿が描かれている。
経済的自立は、心の自立を意味しない。貧困は物質的貧しさよりも、心について語られるべきだと思います。親元を離れ社会に出ると言ってもスマホ一台で足りてしまう時代に、彼女たちが直面する自立とは、いかに発露し自分の居場所を見つけるかという困難な問題なのです。
映画化にあたり実際にぼくたち自身がフィールドワークを行い、独自のモチーフを探す必要があります。実在する少女たちを俳優が演じる以上はモチーフとなる少女たちの声を俳優たちが直接聞く必要があります。その理由として、俳優が脚本の文字だけを頼りに想像することはこの映画の性質上良くないと思ったからです。ゆえに映画制作は私たちスタッフ・キャストが直接話すことのできる少女たちを探すところから始めなければなりません。
映画の主人公は家族や恋人の暴力に晒されています。周りにはそれを助けてくれる環境もない。彼女にはその暴力から逃げだし、そして居場所を見つけるという目的が生まれる。彼女がそれら無慈悲な暴力から逃げるとき、強い気持ちを持ちつつも前よりもずっと地面を踏みしめる足が軽く、そして自由だと感じる___。 映画のラストをそんな風にできたらと思っています。
女性差別や暴力が激しい時代にわたしを育ててくれた母親と祖母に捧げる映画です。」と話している。
【編集 : af】
『遠いところ』は、工藤将亮(くどうまさあき)監督の長編3作目となる沖縄の若年層を描いた実話に基づいた物語。沖縄の子どもの困窮した状況、DV、シングルマザーの様子を描いたルポルタージュを工藤監督が、自身の生い立ちに重ね合わせたことから企画が開始された。独自で沖縄を取材し、繁華街に集まる若者から生活困窮者の支援団体まで徹底した取材を重ね、全編沖縄で撮影を敢行し、2022年に完成した。
工藤将亮監督は、「近年沖縄では、シングルマザーや若年母子などの貧困が深刻化していて、そうした貧困層の少女たちを題材にしたルポルタージュが多くある。それらの作品では少女たちが家族や恋人たちの暴力に晒され、その暴力から逃げ、自分たちの居場所を作りあげていく姿が描かれている。
経済的自立は、心の自立を意味しない。貧困は物質的貧しさよりも、心について語られるべきだと思います。親元を離れ社会に出ると言ってもスマホ一台で足りてしまう時代に、彼女たちが直面する自立とは、いかに発露し自分の居場所を見つけるかという困難な問題なのです。
映画化にあたり実際にぼくたち自身がフィールドワークを行い、独自のモチーフを探す必要があります。実在する少女たちを俳優が演じる以上はモチーフとなる少女たちの声を俳優たちが直接聞く必要があります。その理由として、俳優が脚本の文字だけを頼りに想像することはこの映画の性質上良くないと思ったからです。ゆえに映画制作は私たちスタッフ・キャストが直接話すことのできる少女たちを探すところから始めなければなりません。
映画の主人公は家族や恋人の暴力に晒されています。周りにはそれを助けてくれる環境もない。彼女にはその暴力から逃げだし、そして居場所を見つけるという目的が生まれる。彼女がそれら無慈悲な暴力から逃げるとき、強い気持ちを持ちつつも前よりもずっと地面を踏みしめる足が軽く、そして自由だと感じる___。 映画のラストをそんな風にできたらと思っています。
女性差別や暴力が激しい時代にわたしを育ててくれた母親と祖母に捧げる映画です。」と話している。
【編集 : af】