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【コラム】ユーモアから実感へ収監体験 台湾

Global News Asia 2022年12月1日 6時0分

 台湾の古い監獄(刑務所)で、刑務所での生活を体験するイベントが開かれた。

 犯罪は犯罪だが、日本にはいや、世界中には刑務所に入って一生を送りたいという志望者が増えている。「ムショ活」。死刑になるほどの犯罪は望まないが、「無期懲役、恩赦対象外」に憧れている人たちがいる。規則は厳しいが、ある意味入院と同じで規則正しい生活が続く。「臭い飯」と昔は言われたが、今は栄養バランスが考えられた三食が提供される~炊事(炊事班にでもならなければ)の支度もせず、あげ前据え膳。昼間は懲役だと適度な仕事が与えられ、加齢に合わせて仕事も単純作業に変化していく。高齢者になったら介護もしてもらえる。もう、入らない理由などない…のかもしれない。以前(2016年3月8日)、法務省矯正局に収監1人の年間コストは約600万円と聞いたことがある。(もろもろの経費の合計)

 ただ、どこの刑務所も満杯。昭和50年代は3回くらい無免許運転で裁判にかけられたら、半年間の交通刑務所滞在が出来て糖尿病など治って出てきたものだが、令和の時代、現職の議員という肩書に遠慮しているのかもしれないが、免停中に人身事故を起こしても収監はされない。入りづらくなっている。

 いよいよ、日本の公営放送でも、10月から「ムショ活」ドラマが放送された。ヒロインはムショ内介護をしてもらう。それ勝ち取るために、刑務所に入れるのだろうか…。

 世の中、刑務所に入ることが、なんだかカジュアルになっている。死刑希望で無差別殺人も年間多く起こっているが裁判が長引く拘置所暮らしがあるだけで、なかなか刑務所には行けないようだ…自分一人で死にたくないのならば、他人を道連れにするな。

 さて。台湾で収監体験をした人は「自由の尊さを感じた」と話している。現代の塀のない刑務所ではなく、日帝時代の監獄という国家古跡であり、おどろおどろしい作りだからか~網走刑務所も観光で収監体験できるが、高倉健を思い出すところか、すごく背筋がしゃんとするそうだ。

 管理人から号令を受け、点呼後入室(点呼の際に個人名は剥奪され、番号として呼ばれる)。戦前の作りだからもちろん空調もない。古くて汚い。鉄格子も生々しい。

 台湾人の心根がきれいだから、入らないように心して生きます、に、なったのか。日本人なら…。収監ごっこはひとつのユーモアの要素もある。しかし、まっとうな考えの持ち主からしたら、ムショ活さえちょっとヒクであろう。
【編集 : fa】

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