Infoseek 楽天

【コラム】車社会の打開策は「路面電車」韓国

Global News Asia 2022年12月23日 6時0分

 韓国ソウル市は2022年12月より、「路面電車(慰礼線トラム)」の工事に入る。総距離5.4キロメートル。駅は12箇所(500メートル弱に1つの計算)。費用は日本円で270億円。

 かつて日本の地方都市(県庁所在地が多い)にも路面電車は走っていたが、モータリゼーションの波に飲まれ、またバスなどの公共交通機関や自家用車をスムーズに走らせるためには正直邪魔になりその多くが廃線になった~駅がいわゆる道路の真ん中のセンターライン上にあるので、飛び出し事故の問題もある。

 韓国は、今から、路面電車に戻るのか…。バスよりも大勢の人を乗せることができ、地下鉄より簡単に乗り降りができる(工事的にも地面の上の方が簡単だし、費用も安い)。欧州や北米を見本にしたとしているが…なぜ57年前に廃線にしたのだろうか。

 この路面電車が走る区間は、2006年あたりから新興住宅地として作られた地域と、ソウル市内を結ぶ。公共交通機関が利用しにくい立地だったようだ。

 ガソリンがどんなに高くなろうと、車は走る。新興住宅地を所有できるからには富裕層であり、車も所有しているだろう。反対に、電車やバスは時に「貸し切り」になるくらいのものもあり、今後も存続していく路線と、廃線候補になっている路線がある。

 ガソリンが高いから、電気を利用した路面電車だと自治体は胸を張るが、電気は石油から作られることをご存知ないのだろうか。

 270億円の予算を「丸儲け」する人あっての路面電車であることは、違いないことは、みんな知っている。
【編集 : fa】

この記事の関連ニュース