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【コラム】メンタルヘルス、韓国と日本

Global News Asia 2022年12月24日 6時0分

 コロナ禍も拍車をかけているのだろうか。日本では、精神科の新患の予約を取るまでに約4カ月かかる。それでも速い方だ(入院設備があり、多数の精神科医がいる大きな病院)。個人のクリニックだと1年待ちもあるという(1年もあったら、悩みもなくなるだろうに)。

 この場合の精神科の役割は、うつ病など精神疾患のもの(認知症など緊急性のあるものの初診は1週間ほど〈ケアマネが敏腕であれば〉で、症状によってはその週のうちに入院も出来、命をキープすることができる)。

 日本の広告に「私はバリバリの欝です」のキャッチコピーが躍った。「鬱は心の風邪」と、精神科の敷居が低くなった。それまでは、1時間ほどのカウンセリングは医療費の中で賄えたのだが、今は自費・自己診療・言い値らしい。

 そして、そのカウンセリングも、精神科医や同じような国家資格を持っている医療が行うものと、セラピストやカウンセラーなど民間資格を金で買った手合いが青天井で行うものに大きく分かれるのをご存知ない方も多くいる。

 韓国でも、この傾向は似たり寄ったり。韓国人は、定期的にうつ病になり、民間の心理相談センターでカウンセリングを受ける、約月に1回。

 うつ病と「鬱っぽいわ~」は違う。うつ病は、精神科処方の薬などで治療を必要とするものが多い。そして休養は、必須。鬱憤のすべてを話せばすっきりする「鬱っぽいわ~」と、本物うつ病は違う。うつ病は、話すのも、病院に行くのもおっくうになる。

 韓国では、貧困層と呼ばれる層がカウンセリングをカジュアルに受けている。1回の費用は約1万円。6カ月で、6万円。なかなか大きい。エンドレス、かつ言い値だと人生でどれくらいの額になるのか。

 国が運営する全国精神健康福祉センターが2021年度に受けた相談は235万7500件。コロナ前の3.2倍。それだと、保険の効く病院の予約は取りにくいから、民間の自費診療に流れるであろう。

 アプリ上でカウンセリングを受けるシステムもできた。1回7000円ほど、会わないのに、高っ! 。若年層が「他人に気に障ることを言われた」程度で利用している。

 家族でも身内でも、友だちでも知らない、第三者に自分がなにものであるか知ってもらう。自分が受けている理不尽な仕打ちに共感してもらっている気分になれる(カウンセラーの鉄則は、傾聴であり、同意はしてはいけないことを知らないらしい)。

 けれど、相談室を一歩出て、待合などで顔を合わせる「相談に乗ってくれる人」は、自分のことを見たことがないように見る冷たさには出会ったことがないのだろうか。

 病名があってのカウンセリングもあるだろう。しかし、カウンセリングで、精神疾患の完治はない。処方薬には、多かれ少なかれ薬害がある。薬処方だと、一度患者になれば、生涯縁が切れない場合がある。

 処方のできない商売の一つである、民間カウンセリングもほどほどにしておかないと、一種の宗教状態になる。善意あるカウンセラーばかりではないのだから。

 韓国はお金持ちだから、みんなにカジュアルなカウンセラーが必要なのか。まだまだ「精神科」受診に抵抗がある日本がカジュアルになりきれないのか。

 結局、病的じゃない悩みは、自分で解決するしかない。
【編集 : fa】

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