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【タイ】代理出産問題=海外報道・24歳日本人御曹司ファミリーの情報オープン

Global News Asia 2014年8月21日 12時10分

 2014年8月21日、タイメディアによると、警察が5日、バンコクのマンションの部屋から、身元不明の乳幼児9人を保護したことで、父親は24歳の日本人男性という不可解な事件が表面化した。

 一人の日本人男性が、多くの子供を代理出産で誕生させるといった想定外の問題で、警察は当初人身売買を疑った。5日にタイに居た日本人は、代理人の法律顧問に対応を託し、7日タイを出国しマカオに行ってしまった。警察は、逃亡したと思い、パスポートや出入国時の写真をメディアに公開した。タイのメディアは早くから、公開された写真や実名を掲載している。23日からアメリカAP通信も、「インターポールが『赤ちゃん工場を調査』」というタイトル記事から、日本人男性の氏名の公表に切り替えた。また、The Wall Street Journalも実名で報じている。日本とタイだけのローカルな問題ではなく、国際社会も強い関心を寄せている。世界標準だと氏名の公表が普通。

 その後、当初9人だった子供の数は増え、確認できただけで16人、未確認や妊娠中の子供を入れると20人を超える。

 この男性がIT系の企業創業者の御曹司で、100億円超の資産を持つ青年実業家説も浮上。タイ警察は人身売買など犯罪の可能性は低いとしながらも、不可解な事件として捜査を続けている。

 タイでは、代理出産についての法律は無いものの、表向きは商業出産を禁止している。しかし、多くの外国人が、費用の安さや医療レベルの高さから、タイの代理出産を利用しており、生殖ビジネスのマーケットは拡大してきた。

 様々な問題も起きていたが、お金で解決できるグレーゾーンでこれまで表面化することが無かった。オーストラリア人夫婦が、代理出産で誕生した子供のうち、障害のある子供を置き去りにしたことで、代理母がその事実をオープンにしたことから、9人の乳幼児がいたマンションの住民が不審を抱き通報したことで、この日本人男性の問題が表面化した。

 タイ当局が保護している12人の子供は、日本人男性の子供と認識されているが、DNAは、日本人男性が日本で採取したもので、採取の様子のDVDや、公証人の証明書も提出されているが、それが100%信頼できるものとは、警察は考えておらず、DNAの受け取りに躊躇した。日本人男性がタイに戻って、DNAの採取をするよう繰り返し求めている。

 日本人男性が、タイからカンボジアに連れて行った4人の子供の内、2人の住居が分かった。プノンペンから45キロ南の農村地帯。14ヘクタールの広大な敷地の中に新築の一軒家があり、そこで3歳と1歳の男児が約1年間育てられていた。

 警備のため家の周りは鉄条網で囲んでいる。この土地の以前の所有者は、フンセン首相の三男で、日本人男性がこの広大な土地を購入していた。ただこの地域は、自然環境に恵まれているが、近くに設備の整ったクリニックは無く、小さな子供を育てるには不安がある。

 24歳の日本人男性は、毎月1回程度、子供に会いに来ていた。8月5日の問題が発覚して以降は、別の場所に男児は、移動したとみられる。

 日本は、米国務省の「人身取引報告書」によると、先進国の中で一番評価が低い。日本は14年連続で「Tier2」だ。「人身売買と児童ポルノの国際拠点」と評価されている。「Tier 1」にはEU諸国に加え、米国、台湾、韓国などが入っている。

 日本人男性は、10種類のパスポートを所持しているといった情報もあり、隠せば隠すほどいろいろな憶測が飛び交う、タイ警察の事情聴取をこれほどまでに拒絶するのは、いったいなぜなんだろう。国際社会での日本の人権に関する評価は確実に下がっている。

注)文中の《23日からアメリカAP通信も、「インターポールが『赤ちゃん工場を調査』」というタイトル記事から、日本人男性の氏名の公表に切り替えた。また、The Wall Street Journalも実名で報じている》は、8月28日に追記しました。

【編集 : 朝日音然】

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