2023年4月、南シナ海は、中国や東南アジア諸国などが領有権を主張する海域で、資源や航路の重要性から国際的な関心が高い。しかし、この海域では、中国の一方的な行動や軍事力の増強により、情勢が複雑化し、緊張が高まっている。
中国は、南シナ海のほとんどを自らの領土と主張し、ウッディー島(Woody Island)やミスチーフ礁(Mischief Reef)などの島や岩礁に気象観測所や軍事施設を建設している。また、海警船や漁業取締り船を動員し、他国の船舶に圧力をかけて追い払おうとしている。
これに対し、アメリカは地域各国と安全保障や国防の協力を強化し、特にフィリピンとの軍事協定を更新し、軍隊を再配置した。また、南シナ海やインド太平洋地域に空母打撃群などの軍事プレゼンスと抑止力を増強させており、同盟国と連携して1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく航空・航海の自由を強調している。
フィリピンは、南シナ海にある領土を守る決意を強調し、2016年に仲裁裁判所が中国の領有権主張を否定した判断を支持している。しかし、現在のマルコス大統領は中国との関係改善を図りたいという姿勢も示しており、対中政策が揺れ動いている。
インドネシアはASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国として、中国とASEAN間で協議中の「行動規範(COC)」の早期策定を促している。COCは南シナ海での紛争防止や協力促進などを目的とした枠組みであるが、具体的な内容や期限は未定だ。
一方で、関係国は二国間や多国間の協力も強まり、特に日本やオーストラリア、アメリカ、英国、インドなどが積極的に進めている。オーストラリア・アメリカ・英国(AUKUS)が原子力潜水艦の開発・運用に合意した。
AUKUSは、オーストラリアに原子力潜水艦を配備するための新たな安全保障枠組みだ。この計画は「SSN-AUKUS」と呼ばれる最新鋭の潜水艦を建造・運用するもので、潜水艦は三国間が開発し、イギリスの次期潜水艦の設計に基づき、アメリカの最新技術を使用し、イギリスとオーストラリアで完成する予定。
各国の反応はさまざま。中国の反応として、外交部報道官の汪文斌氏は、「中国はアメリカ、英国、オーストラリアが三国間の安全保障パートナーシップを設立し、原子力潜水艦と最新の軍事技術に協力することは冷戦心理の典型的な結果であり、このことは軍拡を誘発し、核兵器拡散の国際規定に違反し、地域の平和と安定に損害する」と何度も強調している。ベトナムの反応として、外交部副報道官のファム・ツゥ・ハン氏は3月23日、「AUKUSがオーストラリアに原子力潜水艦を装備する」というメディアの質問に対し、「世界および地域の平和、安定、協力および発展は各国共通の目標であり、同時にこの目標に貢献する責任がある」と答えた。
日本は国際・地域のフォーラムにおいて航空・航海の自由の保障や国際法の遵守などを強調し、一方的な行動や現状変更の試みなどを非難している。日本は「自由で開かれたインド太平洋」という構想を提唱した。この構想は、インド太平洋地域における各国の協力を促進し、平和と繁栄をもたらすことを目指すもの。
日本は、この構想を実現するために、2023年3月に岸田総理が発表した「自由で開かれたインド太平洋のための新たなプラン」に基づき、さまざまな取り組みを行う。このプランは、「平和の原則と繁栄のルール」、「インド太平洋流の課題対処」、「多層的な連結性」、「「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取組」を協力している。
【編集 : af】
中国は、南シナ海のほとんどを自らの領土と主張し、ウッディー島(Woody Island)やミスチーフ礁(Mischief Reef)などの島や岩礁に気象観測所や軍事施設を建設している。また、海警船や漁業取締り船を動員し、他国の船舶に圧力をかけて追い払おうとしている。
これに対し、アメリカは地域各国と安全保障や国防の協力を強化し、特にフィリピンとの軍事協定を更新し、軍隊を再配置した。また、南シナ海やインド太平洋地域に空母打撃群などの軍事プレゼンスと抑止力を増強させており、同盟国と連携して1982年国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく航空・航海の自由を強調している。
フィリピンは、南シナ海にある領土を守る決意を強調し、2016年に仲裁裁判所が中国の領有権主張を否定した判断を支持している。しかし、現在のマルコス大統領は中国との関係改善を図りたいという姿勢も示しており、対中政策が揺れ動いている。
インドネシアはASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国として、中国とASEAN間で協議中の「行動規範(COC)」の早期策定を促している。COCは南シナ海での紛争防止や協力促進などを目的とした枠組みであるが、具体的な内容や期限は未定だ。
一方で、関係国は二国間や多国間の協力も強まり、特に日本やオーストラリア、アメリカ、英国、インドなどが積極的に進めている。オーストラリア・アメリカ・英国(AUKUS)が原子力潜水艦の開発・運用に合意した。
AUKUSは、オーストラリアに原子力潜水艦を配備するための新たな安全保障枠組みだ。この計画は「SSN-AUKUS」と呼ばれる最新鋭の潜水艦を建造・運用するもので、潜水艦は三国間が開発し、イギリスの次期潜水艦の設計に基づき、アメリカの最新技術を使用し、イギリスとオーストラリアで完成する予定。
各国の反応はさまざま。中国の反応として、外交部報道官の汪文斌氏は、「中国はアメリカ、英国、オーストラリアが三国間の安全保障パートナーシップを設立し、原子力潜水艦と最新の軍事技術に協力することは冷戦心理の典型的な結果であり、このことは軍拡を誘発し、核兵器拡散の国際規定に違反し、地域の平和と安定に損害する」と何度も強調している。ベトナムの反応として、外交部副報道官のファム・ツゥ・ハン氏は3月23日、「AUKUSがオーストラリアに原子力潜水艦を装備する」というメディアの質問に対し、「世界および地域の平和、安定、協力および発展は各国共通の目標であり、同時にこの目標に貢献する責任がある」と答えた。
日本は国際・地域のフォーラムにおいて航空・航海の自由の保障や国際法の遵守などを強調し、一方的な行動や現状変更の試みなどを非難している。日本は「自由で開かれたインド太平洋」という構想を提唱した。この構想は、インド太平洋地域における各国の協力を促進し、平和と繁栄をもたらすことを目指すもの。
日本は、この構想を実現するために、2023年3月に岸田総理が発表した「自由で開かれたインド太平洋のための新たなプラン」に基づき、さまざまな取り組みを行う。このプランは、「平和の原則と繁栄のルール」、「インド太平洋流の課題対処」、「多層的な連結性」、「「海」から「空」へ拡がる安全保障・安全利用の取組」を協力している。
【編集 : af】