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【コラム】貧困だけが住める部屋 韓国

Global News Asia 2023年6月18日 6時0分

 ソウルには、いやソウルにも、低所得者だけが住む賃貸住宅街がある。日本でいうと、山谷や西成のドヤ街とでもいうのだろうか。いや、ドヤ街は、かつては木賃宿地帯であり、今、そのドヤ街に住んでいた方々が高齢化して、生活保護を受けるための…貧困ビジネスの住宅になっている。布団1枚敷ければ一杯のベニヤで間仕切られた1畳ほど広さだ。

 そこと比べると、ソウルの住宅は1坪=2畳あるので広い。2022年9月時点で1170部屋に861人が住んでいる。2部屋所有している人もいるということか。861人中461人が、日本の生活保護にあたる補助を受けている。そこに焦点を当てると、韓国の貧困ビジネスとも言えるのかもしれない。

 現金が取っ払いで支払われる仕事に就き流れ流れて、今に至る。高齢化して、労災も申請できなかっただろう古い病気が表面化してくる。家賃は、約2万4480円。おそらく生活保護にあたる給付金には、住宅支援の上限がそのくらいであろう。支援を受けるためには、それ以上のいい物件には住めない。また、引っ越したくても、そこが崩壊でもしなければ、引っ越しの自由もない。給付金に詳しくない人は、住宅保証金21万円~31万円足せば、首都圏ではなくても、居間とリビングのあるきれいな住宅に住めるよというだろう。けれど、その保証金くらいの貯えがあれば、給付金が下りないのだ。どこまでも、貧困の連鎖は続いていくのだ。

 首都圏にいれば、大きな病院に行くにも交通費は最低限だ。病院の近くに住みたいというのは、孤独死を恐れる者にとっては重要事項だ。

 この地帯は、実は再開発される。それが始まるまで生き延びることが出来たら、優先的に公共の賃貸住宅(市営アパートのようなものか)に住む権利を得ることができる。その日まで生きたい。本音かもしれない。

 山谷も西成も、再開発的なものは計画にはあるが、果てしなく遠い未来でしかない。韓国の貧困層は、ちょっとだけ、日本より幸せかもしれない。
【編集 : fa】

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