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ラオス南部サワンナケート紀行(4)〜新たな観光グルメスポット

Global News Asia 2023年6月16日 7時0分

 2023年6月5日から4日間をかけて、3年ぶりにラオス南部のサワンナケートを訪ねて来た。新型コロナの間にこの閑静な街がどう変わり変わらずにいたのか。そして、川沿いがどのように整備されたのか。新型コロナ前からの工事で川岸がどう変わったのだろうか。それを確認するのが今回の旅最大の目的だ。

 恐竜博物館を通り過ぎると、いよいよメコン川が見えた。川沿いの道や堤防は、やはりきれいに整備されている。ここの堤防は、ビエンチャンと違い盛り土になっておらず、川面は道よりかなり低い位置にある。かつては、この道沿いにトタン屋根で仮作りされた食堂が並んでいたのだ。しかし、新型コロナ前に始まっていた護岸工事によって、そこには遊歩道や公園が整備されていた。その全長は約2.5から3キロほどだろう。ちょうど夕方にさしかかって気温も緩んだ時間だったこともあり、多くの地元民が親子、カップル、友達どうしで行き来していた。

 川沿いをしばらく歩いくと、ワット・サイヤプーム前あたりにパヤーナーク(竜のような姿をした伝説の動物)がメコン川を見下ろしていた。その胴体部をくぐって先に進むと飲食店が何店舗か並んでいる。そこでメコン川を眺めながら食べることもできるようだ。その天井部にもテーブルと椅子が置かれていて別の店になっている。そして、道を隔てた内側は「LAO CHAUEN SUQUARE」(ラオ・チャルン・スクエア)の看板があり、飲食店や土産物店が並んだナイトバザールとなっていた。雨季になって観光もオフシーズンだったので、外国人の姿は見られなかったが、それでもラオス人の若者が行き交っていた。ハイシーズンにはかなり賑わっていたことだろう。ビエンチャンのナイトバザールは、川側がコンクリートの壁となっているのだが、ここには遮るものもない。間違いなくサワンナケートの新しい観光グルメスポットと言っていいだろう。

 新型コロナ以前は、この場所に何軒かの食堂が並んでいて、昼間からビヤラオを傾けて対岸のムクダハーンの街並みや時々通る小さな船を放牧され草をはむ牛とともにボーっと眺めていた。それは、かつてビエンチャンにもあった光景だが、今やコンクリートに覆われてしまいそんな情緒はない。広場のビヤガーデンは、流行らなければなくなってしまうかも知れない。タイもラオスも、流行らなくなった時の引き際は早いので、次も同じようにここがあるかは不明だ。しかし、この川沿いの食堂は、きっと何軒か残るだろう。それも次の楽しみだし、整備の結果ここが嫌いになってしまうような失望を味わうことにならなかったのが、今回一番の収穫だったのかも知れない。きれいに整備されたサワンナケートの川沿いだが、ここに来る前に不安に思っていたことが、杞憂に終わりひと安心だ。

 そんなことを思いながら、少し休んでから宿に向けて歩き出す。タイと違ってバイクタクシーはいないし、流しのトゥクトゥクもほとんど走っていない。丸1時間以上の距離を歩いて帰るのだが、新柄コロナ以降は引きこもりの暮らしがすっかり定着していたし、今の田舎暮らしもほぼ外出しないので、こんなに歩くのは超久しぶりだ。案の定バテバテで、途中何度も休みながら1時間半以上かかってやっと宿にたどり着く始末だった。

 途中に何度か野犬に遭遇したが、今回は危険を感じるようなこともなかった。タイもラオスも夕方以降に道を歩いていると野犬に囲まれることがある。昼間ぐったりしている奴らだが、夜は元気なのでかなり注意が必要だ。普段わたしは、野犬からでも好かれることが多いのだが、夜間は別だ。そのため、危険を感じたらスマホのライトを奴らに向けて照射する。するとほとんどの犬は驚いて近ずいてこない。宿から川岸まで往復約2時間半。部屋についてぐったり爆睡だったことは言うまでもない。

つづく
【執筆 : そむちゃい吉田】

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