2023年6月5日から4日間をかけて、3年ぶりにラオス南部のサワンナケートを訪ねて来た。新型コロナの間にこの閑静な街がどう変わり変わらずにいたのかを書いてきた。この久しぶりだが短い旅も最終日。タイ北部チェンマイへの帰路に着く。
サワンナケートの滞在も最終日。午前中ゴロゴロして昨日歩き過ぎた疲れを取ってから、昼過ぎに所用を済ませて、バスターミナルへ向かう。来た時には見なかった欧米やアジアの旅行者が目に付く。バス待ちの間に話したカップルは、パタヤに住んでいるというウクライナ人だった。そしてバスの席で隣合わせになったのは、ノルウェーに永住しているミャンマー人だったり、後ろの席から聞こえてきた中国語は、普通語の割に発音が北京の人ではなかった。そういえば、ラオスの入国時と出国時にそれぞれ100バーツを徴収された。以前はなかったので、新たな入出国税といったところか。タイも出国時に300バーツを徴収するとか言っているが、何度も延期されていまだに実行していない。
ムクダハーンからの帰路は、まっすぐ西へ向かうルートを取ることにした。本当は、来た時のルートを逆に帰るつもりだったが、ウボンへの到着がバスの出発時間に間に合わないのだ。そのため、東の国境ムクダハーンと西の国境メーソートを走る路線で、チェンマイからのバスと同じペットプラサート社が運行している。これでピサヌロークまで行ってから、チェンマイ行きへ乗り換える。コンケーンで乗り換えることも考えたが、最初に少しでも長い距離を稼ぎたかったことと、バンコクからチェンマイ行きの路線なので、いくつものバス会社があるはずだ。
この東西回廊とも言うべきルートには、鉄道の建設計画もある。ラオスのタケーク対岸ナコンパノムを起点にムクダハーンからコンケーン県のバーンパイに至るルートの工事が、今年から始まっている。そして、バーンパイからメーソートのルートの建設計画あるらしい。これがミャンマーやラオス、そしてベトナムへと結ぶのがインドシナ東西回廊鉄道なのだが、実現したらインド洋からの輸送に大革命が起きるのかも知れない。
バス出発までの間、食堂で早めの夕食をとる。イサーン料理の代表とも言うべきラーブだ。言わずもがな、通常なら激辛の料理だ。しかし、実はわたしは辛いものが一切食べられない。「それでよく20年もタイに住んでいるね?」とよく言われるが、辛くないタイ料理もたくさんあるし、このラーブもソムタムでさえも唐辛子抜きで作ってもらうことで、普通に美味しく食べている。タイの友人に言わせると「おいしくない!」とか「塩辛い」と言われるのだが、塩辛いのはむしろ大好きなので、わたしには打ってつけなのだ。これをカオニャオとともに手掴みで食べるのは、イサーンの醍醐味。そしてこのタイの餅米、カオニャオも辛いものが食べられないわたしのタイ生活を支えてくれる大切な主食だ。タイの地方で、辛いものばかりが並んだ時。このカオニャオにナムプラーを少量たらせば、それだけでも事足りるのだ。かつて写真家太田享氏も、メコン川の食堂でカオニャオだけ注文してナムプラーを少し垂らして、あとはビールでかっこんでは満面の笑みで川面を眺めていた横顔は今も忘れられない。
つづく
【執筆 : そむちゃい吉田】
サワンナケートの滞在も最終日。午前中ゴロゴロして昨日歩き過ぎた疲れを取ってから、昼過ぎに所用を済ませて、バスターミナルへ向かう。来た時には見なかった欧米やアジアの旅行者が目に付く。バス待ちの間に話したカップルは、パタヤに住んでいるというウクライナ人だった。そしてバスの席で隣合わせになったのは、ノルウェーに永住しているミャンマー人だったり、後ろの席から聞こえてきた中国語は、普通語の割に発音が北京の人ではなかった。そういえば、ラオスの入国時と出国時にそれぞれ100バーツを徴収された。以前はなかったので、新たな入出国税といったところか。タイも出国時に300バーツを徴収するとか言っているが、何度も延期されていまだに実行していない。
ムクダハーンからの帰路は、まっすぐ西へ向かうルートを取ることにした。本当は、来た時のルートを逆に帰るつもりだったが、ウボンへの到着がバスの出発時間に間に合わないのだ。そのため、東の国境ムクダハーンと西の国境メーソートを走る路線で、チェンマイからのバスと同じペットプラサート社が運行している。これでピサヌロークまで行ってから、チェンマイ行きへ乗り換える。コンケーンで乗り換えることも考えたが、最初に少しでも長い距離を稼ぎたかったことと、バンコクからチェンマイ行きの路線なので、いくつものバス会社があるはずだ。
この東西回廊とも言うべきルートには、鉄道の建設計画もある。ラオスのタケーク対岸ナコンパノムを起点にムクダハーンからコンケーン県のバーンパイに至るルートの工事が、今年から始まっている。そして、バーンパイからメーソートのルートの建設計画あるらしい。これがミャンマーやラオス、そしてベトナムへと結ぶのがインドシナ東西回廊鉄道なのだが、実現したらインド洋からの輸送に大革命が起きるのかも知れない。
バス出発までの間、食堂で早めの夕食をとる。イサーン料理の代表とも言うべきラーブだ。言わずもがな、通常なら激辛の料理だ。しかし、実はわたしは辛いものが一切食べられない。「それでよく20年もタイに住んでいるね?」とよく言われるが、辛くないタイ料理もたくさんあるし、このラーブもソムタムでさえも唐辛子抜きで作ってもらうことで、普通に美味しく食べている。タイの友人に言わせると「おいしくない!」とか「塩辛い」と言われるのだが、塩辛いのはむしろ大好きなので、わたしには打ってつけなのだ。これをカオニャオとともに手掴みで食べるのは、イサーンの醍醐味。そしてこのタイの餅米、カオニャオも辛いものが食べられないわたしのタイ生活を支えてくれる大切な主食だ。タイの地方で、辛いものばかりが並んだ時。このカオニャオにナムプラーを少量たらせば、それだけでも事足りるのだ。かつて写真家太田享氏も、メコン川の食堂でカオニャオだけ注文してナムプラーを少し垂らして、あとはビールでかっこんでは満面の笑みで川面を眺めていた横顔は今も忘れられない。
つづく
【執筆 : そむちゃい吉田】