6月20日は「世界難民の日」。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2022年末時点で、紛争、迫害、暴力、人権侵害により避難を余儀なくされた人は1億人を超え、その4割は18歳未満の子どもです。2023年に入ってからも、スーダンをはじめと各地で激化する紛争が拍車をかけ、世界全体の強制移動の数は1億1,000万人に達していることも報告されました。
国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、世界難民の日を前に、難民と国内避難民の家庭を対象とした調査を行い、報告書「顧みられず、忘れられて:避難民の子どもたちは、かつてないほど飢え、リスクにさらされている」を発表しました。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が最も激しかった2021年に照らしても、子どもたちが直面する飢餓と暴力が急増していることが明らかなりました。日々の生活必需品を手に入れるために他人から借金をしている家庭は2022年から倍増し、82%の家庭が食事の質と量を減らしています。移住を強いられている家庭の85%は、日々に必要な栄養を摂取するだけの十分な食料を買うことができません。25%の家庭は悪化する家計ひっ迫により子どもを学校に通わせていません。19%の家庭は子どもを働かせています。
調査は2023年3月から4月にかけて、アフガニスタン、ブラジル、ブルキナファソ、コロンビア、コンゴ民主共和国、エクアドル、エルサルバドル、エチオピア、グアテマラ、ホンジュラス、ヨルダン、マリ、ニカラグア、ニジェール、ペルー、南スーダン、ウガンダ、ベネズエラの18カ国で実施されました。サンプリング方法(ランダム・目的・便宜的サンプリング)を組み合わせ、18カ国の847世帯を対象とし、世帯あたり平均人数は6人でした。
WVで災害対応のシニアディレクターを務めるアマンダ・ライブスは次のように述べます。「シリア、ニジェール、コンゴ民主共和国、アフガニスタンなどでは、子どもたちのニーズがさらに高まっていますが、対応するための十分な資金が準備されていません。今日、何百万人もの子どもたちが難民キャンプで厳しい生活を送っています。あまりに多くの子どもたちが、生きるために結婚を強要され、働かされています。子どもたちは飢えており、学校に行けません。子どもらしい子ども時代を過ごせません。そして世界はこの子どもたちのことを忘れようとしています」
子どもが暴力を受ける危険性が高まっていることを親が非常に心配していることも明らかになっています。 アマンダは続けます。「ワールド・ビジョンは、移住を強いられた人々を3年連続で調査してきました。子どもが暴力を受けるリスクが高いと答えた家庭は41%にのぼり、2022年の30%から増加しています」「避難民キャンプに住む子どもたちは、他の場所に住む子どもたちに比べて、強制労働を強いられるリスクが2倍も高いのです。多くの家庭では収入も食料も得ることができません。そのような家庭が迫られる究極の選択は想像を絶するものです。それは、あなたの子どもを餓死させるか、あるいは、一人の子どもを結婚させることで食事にありつけるようにし、結婚にともなう持参金によって残りの家族を養うことができようにするか、という選択です。このような選択を親が迫られるべきではありません。しかし、多くの家庭にとって事実そうなのです」
ワールド・ビジョンが調査したほとんどの家庭は、家族を支え、国を再建する夢を持っていると答えました。しかし、増加するニーズに対応するための資金は準備されていません。 「世界の難民・避難民の数は、圧倒される規模です。しかし、彼らが彼ら自身の未来の担い手であることを忘れてはなりません。難民や避難民は、今、必要な支援を受けることができれば、命をつなぎ、コミュニティを再建し、繁栄することができるでしょう。私たちは対応しなければならないのです。彼らは、自らの家族を養う手段を手に入れられるべきなのです。子どもたちは、子どもらしい子ども時代を送るべきなのです。尊厳が守られ、世界から覚えられるべきなのです」とライブスは述べます。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、難民・避難民の子どもたちの、命を守り、回復を支え、未来を築くため、「難民支援募金」へのご協力をお願いしています。緊急援助から復興への取り組みまで、「今、最も必要な支援」を子どもたちに届けます。
想像してみてください。ある日突然紛争が始まり、あなたは故郷を追われる。食べるものも着るものも、寝る場所もない。両親とはぐれ、怯えて泣いている子どもがいる。そんな時、誰かがあなたや子どもたちに手を差し伸べてくれたら。ワールド・ビジョンは、皆さまが差し伸べてくださる手を支援活動にかえて、子どもたちに届けてまいります。
【編集 : ワールド・ビジョン・ジャパン 徳永美能里】
国際NGOワールド・ビジョン(WV)は、世界難民の日を前に、難民と国内避難民の家庭を対象とした調査を行い、報告書「顧みられず、忘れられて:避難民の子どもたちは、かつてないほど飢え、リスクにさらされている」を発表しました。新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延が最も激しかった2021年に照らしても、子どもたちが直面する飢餓と暴力が急増していることが明らかなりました。日々の生活必需品を手に入れるために他人から借金をしている家庭は2022年から倍増し、82%の家庭が食事の質と量を減らしています。移住を強いられている家庭の85%は、日々に必要な栄養を摂取するだけの十分な食料を買うことができません。25%の家庭は悪化する家計ひっ迫により子どもを学校に通わせていません。19%の家庭は子どもを働かせています。
調査は2023年3月から4月にかけて、アフガニスタン、ブラジル、ブルキナファソ、コロンビア、コンゴ民主共和国、エクアドル、エルサルバドル、エチオピア、グアテマラ、ホンジュラス、ヨルダン、マリ、ニカラグア、ニジェール、ペルー、南スーダン、ウガンダ、ベネズエラの18カ国で実施されました。サンプリング方法(ランダム・目的・便宜的サンプリング)を組み合わせ、18カ国の847世帯を対象とし、世帯あたり平均人数は6人でした。
WVで災害対応のシニアディレクターを務めるアマンダ・ライブスは次のように述べます。「シリア、ニジェール、コンゴ民主共和国、アフガニスタンなどでは、子どもたちのニーズがさらに高まっていますが、対応するための十分な資金が準備されていません。今日、何百万人もの子どもたちが難民キャンプで厳しい生活を送っています。あまりに多くの子どもたちが、生きるために結婚を強要され、働かされています。子どもたちは飢えており、学校に行けません。子どもらしい子ども時代を過ごせません。そして世界はこの子どもたちのことを忘れようとしています」
子どもが暴力を受ける危険性が高まっていることを親が非常に心配していることも明らかになっています。 アマンダは続けます。「ワールド・ビジョンは、移住を強いられた人々を3年連続で調査してきました。子どもが暴力を受けるリスクが高いと答えた家庭は41%にのぼり、2022年の30%から増加しています」「避難民キャンプに住む子どもたちは、他の場所に住む子どもたちに比べて、強制労働を強いられるリスクが2倍も高いのです。多くの家庭では収入も食料も得ることができません。そのような家庭が迫られる究極の選択は想像を絶するものです。それは、あなたの子どもを餓死させるか、あるいは、一人の子どもを結婚させることで食事にありつけるようにし、結婚にともなう持参金によって残りの家族を養うことができようにするか、という選択です。このような選択を親が迫られるべきではありません。しかし、多くの家庭にとって事実そうなのです」
ワールド・ビジョンが調査したほとんどの家庭は、家族を支え、国を再建する夢を持っていると答えました。しかし、増加するニーズに対応するための資金は準備されていません。 「世界の難民・避難民の数は、圧倒される規模です。しかし、彼らが彼ら自身の未来の担い手であることを忘れてはなりません。難民や避難民は、今、必要な支援を受けることができれば、命をつなぎ、コミュニティを再建し、繁栄することができるでしょう。私たちは対応しなければならないのです。彼らは、自らの家族を養う手段を手に入れられるべきなのです。子どもたちは、子どもらしい子ども時代を送るべきなのです。尊厳が守られ、世界から覚えられるべきなのです」とライブスは述べます。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、難民・避難民の子どもたちの、命を守り、回復を支え、未来を築くため、「難民支援募金」へのご協力をお願いしています。緊急援助から復興への取り組みまで、「今、最も必要な支援」を子どもたちに届けます。
想像してみてください。ある日突然紛争が始まり、あなたは故郷を追われる。食べるものも着るものも、寝る場所もない。両親とはぐれ、怯えて泣いている子どもがいる。そんな時、誰かがあなたや子どもたちに手を差し伸べてくれたら。ワールド・ビジョンは、皆さまが差し伸べてくださる手を支援活動にかえて、子どもたちに届けてまいります。
【編集 : ワールド・ビジョン・ジャパン 徳永美能里】